韓国での中絶禁止令が廃止へ!
いつもの無知ですが(恥)、エコノミスト・エスプレッソや BBC などで一斉に報道されたニュース。韓国では1953年に作られた法律で、中絶が禁止され、妊婦と医師の双方が罰せられていた。それが、2020年末までに新しい法律を作って、このルールを改正するようになったという。まずはおめでとうございます!私も、これは法律として正しい制度だと思いますし、実質上も便利さが大きいと思います。
ただ、かなりの複雑性がある。BBCにも書かれているが、統計で言うと、子供を持つ女性の中で5人に1人が実質上の中絶をしたことがあるとのこと。非合法にならないような仕組みがあって中絶ができたとのこと。ただ、今回、そのような仕組みを使ったことが明らかになって、それが問題化され、法がそのような仕組みを認めたということだと思う。
実は、同じような仕掛けが日本でも起きている。1920年代に起きて、1948年の優生保護法で中絶が法的にも可能になったと私は考えている。都市部ではかなりの数の実質上の中絶が可能になり、戦後に法的にも可能になったというシナリオが自然である。一度リサーチしてみたいと思っているが、かなりの時間が必要だから、手が出ていない。
そのような理由もあって、今回の韓国の判断は正しいと思う。
藤原新也『東京漂流』とコレラとハンセン病
慶應義塾・日吉キャンパスにて文理連接のシンポジアムが始まります!
慶應義塾大学・日吉キャンパスの教養研究センターの基盤研究である「文理連接プロジェクト」が2019年の4月から始まります。医学史、生命科学論、医療経済学、医療と文学、歴史の中の医学と生命など、多様な分野から医学・医療と生命科学を論じることが可能であり、それを大学で実現するプロジェクトです。対象は学部生、大学院生、研究者たちで、さまざまな水準でアピールする講演です。
最初の講演は4月16日の18:15 より慶應日吉キャンパスで私が行います。タイトルは「症例誌と文学と社会:医学と様式と歴史の複合」です。医療の問題を幅広い文脈で位置付けるために、20世紀日本の精神医療の症例誌を取り上げ、それを文学と社会と情報に関連させる試みです。講演とパワーポイントは YouTubeで公開されます。