塚田孝 江戸時代の孝子褒賞

塚田, 孝. (2017). 大坂民衆の近世史 : 老いと病・生業・下層社会, 筑摩書房. 江戸時代後半においては、孝子褒賞や忠孝褒賞などと呼ばれていた儒教の制度があり、実際には全国各地で下層の人々に褒賞を与えた制度があった。柳谷慶子『近世の女性相続と介護』…

第一次大戦からアフガン戦争までのカナダ軍における PTSD についての新著

historypsychiatry.com カナダ軍兵士が経験した戦争神経症(PTSD) の歴史。私はまだ読んでいないが、良さそうな書物だと思う。1914年から2014年までの100年間という長いタイムスパンを検証できること。海外の軍事行動についてかなり異なった態度がとられるよ…

バラ「デズデーモナ」とレモンの木の下のひらりねこ

デイヴィッド・オースティンのバラの傑作である「デズデーモナ」が、夏に一輪を咲させました。レモンの木の葉陰で守られるようにすると、曖昧さと甘さがきれいな花が咲きます。その鉢の前でひらりねこがくつろぎました。

エコノミスト・エスプレッソより <リベラリズム>について

エコノミスト・エスプレッソは日曜日を除いて毎日配信され、読んでちょっと世界が分かった気になるとても優れたメールのシリーズ。夏になって現代の政治思想に関してワンコメントするコーナーもできて、これはこれで面白い。「進歩が特権者だけを益すると考…

日名子実三による長与又郎の彫像と医学部附属病院のレリーフについて

広田, 肇. (2008). 日名子実三の世界 : 昭和初期彫刻の鬼才, 思文閣出版. 日本サッカー協会のマークである三本足の烏(やたがらす)は、大分県出身の彫刻家である日名子実三(-1945)が製作したものである。大分に生まれ、慶應義塾に進んだが、親に無断で退学…

日本企業の過労死、自分、そして自分の院生やポスドクの問題

www.economist.com エコノミストの記事で、内容は日本の企業における過労死について。事実としては知っていることが多いが、私自身は色々と反省しながら読んだ記事だった。自分が過労死しそうであるということもあるが、院生やポスドクなどを過労死に追い込…

1920年代ソ連における心理障害の青少年収容施設の研究論文

Slavic Review | Current Issue Maria Cristina Galmarini-Kabala, "Psychiatry, Violence, and the Soviet Project of Transformation: A Micro-History of the Perm' Psycho-Neurological School-Sanatorium", Slavic Review 77, no.2 (2018), 307-332. 19…

先進国における男性精子数の劇的な減少について

www.prospectmagazine.co.uk イギリスの中道系の雑誌 Prospect で、面白い記事が掲載。過去の数十年において、アメリカ、ヨーロッパ、AU&NZ などの先進国では男性の精子数が鮮明・劇的に減少してていること、一方南米、アジア、アフリカではそのような減少は…

東京藝術大学大学美術館 藤田嗣治資料について

東京藝術大学大学美術館 藤田嗣治資料 英訳の仕事を一つほとんど仕上げたので、芸術新潮の2018年8月号の「特集 藤田嗣治の5人の妻たち」がとても面白かった。その中に、芸大の博物館の准教授である古田先生という方が書いている特別面白い企画がある。これは…

庭の唐辛子の株にカエル君!

akihitosuzuki.hatenadiary.jp しばらく前に、庭の唐辛子の株にカマキリ君が登場したので、喜んで写真にとって記事にした。今朝は別の唐辛子の株だけど、そこにカエル君がいたのでこれも写真にとって記事にした。唐辛子を導入するとエコシステムに微細な変化…

ビルマ戦線での英軍捕虜と疾病について

mosaicscience.com soundcloud.com イギリスのウェルカム財団は、第二次大戦中にビルマ戦線で日本軍がイギリス兵の捕虜に何を行ったのかという番組とそのテキストをアップロードしている。さまざまな意味で過酷な取り扱いをして、暴行に至ったことはよく知ら…

『野鳥』2018年8月号より、シマフクロウとカラスの記事

日本野鳥の会 : 会誌「野鳥」 小さな仕事の区切りがついたので、日本野鳥の会の会誌『野鳥』を読んだ。北海道のシマフクロウの記事が面白かった。北海道大学の理学大学院の増田隆一先生が、現住の鳥や博物館の鳥の剥製をもとにして、そのミトコンドリアDNAな…

大英博物館のアッシュルバニパル王とアッシリア文明展

blog.britishmuseum.org 大英博物館でアッシュルバニパル王に焦点をしぼったアッシリア文明展をするとのこと。アッシリアはイギリスに留学したときにとても惹かれていた文明だった。ギリシアやエジプトと異なった彫刻が美しく、大英博物館の彫刻を巨大な背景…

日本語原稿と英訳原稿

色々な事情が重なって色々な企画ができるというのは本当である(笑)故金森先生のご逝去に関して、彼の業績に関する知的なまとめの議論を示し、それに日本の医学史研究の発展を合わせて論じるというよくわからない話である。一番大きな難題は、それを一流の…

English Seminar 19 Sept 2018 / 英語セミナー 2018年9月19日

皆さま、5年以上続いて恒例となった英語セミナーのご案内です。これは大学院のセミナーに基盤を持ち、それ以外にもいろいろなつながりを持つ英語でセミナーの練習をしてみようという企画です。現在、学問のグローバル化を目指す多くの大学や大学院で行われて…

解放されて自由な野菜の簡易栽培(笑)

野菜の簡易栽培をやってみようと思い、使わなくなったお皿にブロッコリー・スーパースプラウトを蒔いてみた。一週間くらいして見てみたところ、直線性と秩序がまったく存在しないことを見せつけられた。野菜が持つ伸び伸びとした解放、あちこちに生じる自己…

MD-PhD の形式で医学と人文社会科学の二つの学位を持つ研究者

bmcmededuc.biomedcentral.com 無料で論文をDLできます。専門家だけが読んで意味を持っている論文ですが、関心がある方は読んでおくといいと思います。 アメリカでは医学博士と哲学博士の二つの学位を持つ人々がいて、MD-PhDと呼ばれている。PhD は哲学博士…

エコノミスト・エスプレッソの優生保護法の記事

No issue: forced sterilisation in Japan Victims of the government-run programme meet to demand compensation at a conference in Tokyo today. An estimated 25,000 people were sterilised under the Eugenic Protection Law, enacted in 1948—and no…

庭の唐辛子の鉢にカマキリ!

家の庭でカマキリに出会うことがよくあり、私は親しみを感じながらしばらく見ている昆虫である。庭の唐辛子の株にカマキリがいたとのこと。白い花にやってくる昆虫を捕獲しようとしているのだろうか。

農村医学・社会医学に関する論文と日本医史学雑誌の公開

jsmh.umin.jp 杉山章子先生の「農村医学の形成と発展」という論文がある。長野県臼田町の佐久病院の戦後の歴史を記述した論文である。若月俊一の農村医学・社会医学を称賛するトーンで構成されている箇所が多いけれども、「農夫症」の概念や、農薬使用の拡大…

19世紀後半イギリスの「薬草エクストラクト」の宣伝

discovery.nationalarchives.gov.uk イギリスの社会医療史学会のガゼットの一面が、メイソン社という製薬会社のとても美しい小さなポスターだったので、10分くらいだけ調べてみた。もともとは19世紀のにイギリスのノッティンガムで起業された小規模の化学・…

スパゲッティ用のペペロンチーノなど

今年はピーマンや唐辛子やパセリなどを収穫している。庭に大きな植木鉢を置いて、まだ若くてみずみずしい段階で食べてしまうのにいい。この「若くてみずみずしい」ことを静岡の方言では「みるい」という。美しくてぴったりの方言だなといつも思っている。

インターメディアテクとその絵葉書とアフリカ美術

東京駅の元中央郵便局の建物に、東大総合博物館が都心向けの支部「インターメディアテク」を出している。アカデミックなアイテムをたくさん並べている面白い空間である。たまたま、博物館ではなくインターメディアテクで展示されているものに関して、雑誌の…

予防接種とヒステリーの事例8件

www.sciencedirect.com アメリカのCDCの研究者たちが軸になって書いた面白い論文。予防接種に対するネガティヴな対応が不安を軸にして出てきた事例がどのくらいあるのかというもの。さまざまな医学系論文のデータベースを検索して、予防接種とヒステリーと呼…

道修町の御朱印

http://www.sinnosan.jp/gosyuin.html 大阪の薬屋の集積地であった道修町にはミュージアムがあり、一年に3,000円で季刊の通信が来る。医学史の研究者はよろこんで読む。実は今日はじめて知ったのだけれども、少彦名神社(神農さん)が御朱印を出しているとの…

医学史と社会の対話ー優れた記事の紹介⑯

igakushitosyakai.jp 東大の大学院生である藤本大士君による書評。塚田孝『大阪 民衆の近世史ー老いと病・生業・下層社会』(2017)の書評です。 もともとは「文字を書くことができなかった民衆がどのように医療を受けたのか」と書いたのですが、近世日本の…

法定伝染病のウェブ上データベースの復活!

友部謙一先生を研究代表としたプロジェクト「クロノス」。その中の疾病班が公開した法定伝染病のデータベース。1876年から1959年までの期間に関して、法定伝染病に関して府県別・月別に死者数と患者数を掲載したデータベースです。関東の県と関西の県の月別…

薬袋紙(やくたいし)についてメモ

薬を包む「薬袋紙」(やくたいし)についてメモ。私が子供のころの50年くらい前には、薬袋紙に粉薬が分包されている光景がかすかに記憶に残っている。読んだ本は池田寿『紙の日本史ー古典と絵巻物が伝える文化遺産』(東京:勉誠出版、2017) ヨーロッパ・…

中野操「想い出の富士川游先生」

思文閣が復刻している日本医史学会の機関紙『日本医史学雑誌』(昭和2年から15年末まで『中外医事新報』のタイトルで刊行)の月報を読んでいて、面白い記事があったのでメモ。「月報1」の中野操「想い出の富士川游先生」からである。 日本医史学学会がつく…

医学史と社会の対話ー優れた記事の紹介⑮

igakushitosyakai.jp レーウェンフックは17世紀のアマチュア顕微鏡観察家。微小なものや微生物を観察して数多くのイラストに残したことで知られています。田中祐理子先生は研究の文章であり、レーウェンフックを日本に紹介する文章でもあり、そして共同研究…