ポリオ患者がアフリカでは3年間でゼロ!

www.economist.com エコノミストからの記事。ポリオ患者は第二次世界大戦後までアメリカなどで継続していた。しかし、予防ワクチンが1950年代に開発されて急速に激減した。日本では戦前から流行が見られ、1960年には患者5,000人程度の大きな流行があったが、…

第二次世界大戦と精神病院と隔離

第二次世界大戦やアジア・太平洋戦争は、各国が兵士を陸・海・空に配するという広大な展開もあったと同時に、さまざまな隔離が大規模に実践されていたという一見すると逆説的なこともあった。そこでは、精神病院への隔離が大きな問題となっていた。ドイツの…

ドクダミと18世紀オランダ博物学と白檀の香り

powo.science.kew.org 梅村甚太郎. 民間薬用植物誌. 復刻版 edition, 科学書院, 1989. 草川俊. 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版, 1992. 昨晩はバーミンガム大学の医学史家である Jonathan Reinarz と丸の内でお寿司を食べるという楽しい時間を過ごした。その…

母乳原理主義と活動主義と光合成

www.oed.com 今日のOEDは lactivist, n. lactation と activism の二単語から形成された英語で「母乳原理主義者」というような意味である。人工乳や哺乳器などを使う人工的な哺乳を批判し、母親が乳児に母乳を与えることだけに絶対的な価値を唱えて政治的な…

占星術と体液論と20世紀医学

www.forbiddenhistories.com 先日紹介された Andreas Sommer 先生のウェブサイトである Forbidden Histories. そこに掲載された面白い記事があった。メモというより私の説明かもしれない。 占星術と体液論は、古代・中世・初期近代の医療の核であった。同時…

白いチリメンギンバイカが咲きました!

Dioscorides Pedanius, of Anazarbos and L. Adams d Beck. De Materia Medica. 3rd, rev. ed. edition, vol. Bd. 38, Olms-Weidmann, 2017. Altertumswissenschaftliche Texte Und Studien. Opie, Iona Archibald and Moira Tatem. A Dictionary of Superst…

「数人」と several persons と mehrere Personen

山口明穂. 日本語を考える: 移りかわる言葉の機構. 東京大学出版会, 2000. 日本語とドイツ語の問題を考えて少し本を読んだら、一つの面白い視点を思いついた。「数人」「数日」が持つ「数」の概念と、英語の several 、ドイツ語の merher という似たような概…

精神疾患と犯罪者とテロリスト

これは別の仕事だが、精神疾患と隔離を必要とする犯罪者の問題を考えているなか、JSTOR の週間記事でテロリズムの話があったのでメモ。 犯罪と精神疾患をどう区別するかという問題は非常に難しい。私が具体的に取り上げていることは、制度の外で起きていた精…

ラテン語と源氏物語と腹話術の Youtube

しばらく内臓の位置などを見ていて、その中で複雑な構造のラテン語の腹という意味での venter という語に出会った。また、BBCの源氏物語の番組を見ていて、そこで女の筆者が男性の心理を語る構造を ventriloquism と呼んでいた。 これは、ラテン語の「腹」の…

カマキリ第二弾!

一昨日のカマキリと同じ個体なのかしら?少し大きくなったような気もします。 カマキリの個体には顔がついていますね。

『大発作』が描く癲癇(てんかん)の兄について

B, David et al. 大発作 : てんかんをめぐる家族の物語. 明石書店, 2007. これは1959年に生まれたダビッド・ベーという人物の兄が癲癇(てんかん)となったありさまを描いたもの。母やダビッドや妹のさまざまな努力にもかかわらず、兄の症状が次第に大きくな…

サルスベリとチリメンギンバイカ(笑)

サルスベリが咲きました。 サルスベリが咲きました。これを英語で言うと crape myrtle とのこと。crape はフランスのお菓子のクレープと同じ単語で、絹製の黒い喪章のこと。これをチリメンと訳すとのこと。 Myrtle を訳すとギンバイカ。これもギンバイカに似…

閉じ込めと障がい

www.igaku-shoin.co.jp 九州大学の文書館で症例誌を読み、ドイツ語と日本語の関係を色々と考えてきた。家に帰って医学界新聞を読むと、福武敏夫先生が「閉じ込めと障がい」の連載で障がいについて書いていて、面白かった。特に、日本語にとって受動態の概念…

中国の一人っ子政策に関するドキュメンタリー

1979年から2015年まで、中国は「一人っ子政策」を引いていた。それが中国の人口をうまくコントロールできたことは重要な貢献である。一方、中絶を中心にして、胎児の生命が大規模に終わらされた時期であることも、漠然と予想していた。それに関するドキュメ…

医療市場と梅毒性精神疾患の役割

森崎和江『からゆきさん 異国に売られた少女たち』から、あそこに入れるエピソードがたくさん引かれていたので、原型を書いている。 1. 医療市場の成立 2. 梅毒献身の恐怖 3. 20世紀初頭の梅毒研究の急速な進展 4. 王子脳病院におけるGPIの検診と治療 5. 短…

西アフリカ内陸部のレイヨウの頭部装飾器

父と母と子供が作る一組の共同体ですね。 西アフリカの内陸部は、国の名前でいうと、マリ、ブルキナファソ、そしてガーナ、トーゴ、ベニンの内陸部である。部族・民族の名称でいうと、バンバラやドゴンなどが存在している。残念ながら私は「聞いたことがあり…

黒死病と公衆衛生

古くからの友人と話していて、ポーター先生が原稿を仕上げるのが早かった理由の一つとして、全体の構図を決めてしまって、ある部分は書いておくからかもしれないという話が出た。試しにある原稿の構図と書いた部分を書いてみた。 1 ペストという感染症2 14世…

二十四節気の立秋

色々な理由で立秋を調べてメモ。立秋は立春と対比させるとよく分かる。立春は一年が始まる節気で、2月の4日か5日。一年で一番寒い時期である。立秋は、それから半年と少し経った8月の7日くらいで、一番暑い時期である。 初候は「涼風至る」(りょうふういたる…

ル・ゴフ『中世の身体』よりメモ

Le Goff, Jacques et al. 中世の身体. 藤原書店, 2006. ダヴィンチが肝臓を重視したことに関して、頭と心臓を比較しているル・ゴフの書物があったので確認して引用しておいた。 「13世紀から15世紀にかけて、心臓のイデオロギーが花開き、妄想すれすれの想像…

オーデュボン野鳥写真コンテスト

www.bbc.com オーデュポン野鳥写真コンテスト。見ておく価値があります。

素朴絵の意味

日本橋の三井記念美術館に行って『日本の素朴絵』を楽しんできた。数多くの作品が並び、絵画や彫刻として「素朴」という表現は非常に適切である。英訳することが難しいと思うけれども、それは私の仕事ではないですから、いいです(笑) 矢島新先生が素朴絵の…

「アナキスト」という語の意味

Evans, E. P. The Criminal Prosecution and Capital Punishment of Animals. Lawbook Exchange, 1998. もともとは1906年に刊行された書物で、中世から近世にかけて、動物が司法で裁かれて死刑となった事件を丁寧に集めて論じた本である。中世の世俗の裁判と…

古代の女性支配者と戦士の看護の概念

www.oxforddnb.com 今日のDNBはジュリア・カルティマンドゥア、あるいはクラウディア・カルティマンドゥアというイギリスの部族の女性支配者。時代は紀元1世紀で、主としてタキトゥスに登場するとのこと。面白いことに、タキトゥスがドイツやイギリスの女性…

エディンバラ・フェスティヴァルで開催される精神疾患の司法監禁の歴史

edinburghfestival.list.co.uk スコットランドのエディンバラ・フェスティヴァルで司法精神医学の歴史に関する展示。もとの仕事をされたのは、懐かしいセント・アンドリュース大学のロブ・フーストン先生。8月1日に開始して、それから一か月間ほど展示が続く…

中国の世界思想(コスモロジー)の発展と衰退についての教科書

Henderson, John B. The Development and Decline of Chinese Cosmology. Columbia University Press, 1984. Neo-Confucian Studies. よくメカニズムは分からないけれども、中国の医学史や科学史についての学術的な議論を英語にするためには、日本語の本より…

売春と男性・女性の「被害」と精神疾患

Enloe, Cynthia. Does Khaki Become You? (1983) 昭和戦前期の精神医療が、警察や社会の影響のもとで機能した側面に、売春の影響という非常に大きな領域がある。実際、症例誌を見ていても、男性が買春から発達させた精神疾患となった客は数割はいるし、売春…

二十四節気の大暑

ロンドンに行っていた時期に気がついたけれど、先週の木曜に二十四節気の大暑が来ました。岡田『アジアの暦』も手元にはなかったし、クラウドで読むことが出来ると、便利だなと思います。 大暑は立夏から始まる夏の六節気の最後。冬が大寒で終わるのと同じよ…

二十四節気の大暑

ロンドンに行っていた時期に気がついたけれど、先週の木曜に二十四節気の大暑が来ました。岡田『アジアの暦』も手元にはなかったし、クラウドで読むことが出来ると、便利だなと思います。 大暑は立夏から始まる夏の六節気の最後。冬が大寒で終わるのと同じよ…

日本のゆるかわ美術と精神疾患の患者の描画

www.mitsui-museum.jp www.nhk-p.co.jp 『芸術新潮』の最新号が日本のゆるかわの特集である。 直接的な背景にあるのが三井記念美術館の「日本の素朴絵ーゆるい・かわいい・たのしい美術」である。これらの作品は個人的には好きでも嫌いでもないが、めくって…

Hypericum とオトギリソウ

家で Gardens を読んでいたら、Hypericum の特集があった。日本語でいうとオトギリソウにあたる。黄色の鮮やかな色だが、西洋でも日本でもいずれもかなり強力な薬効があるとされている。以下は日本大百科全書からの引用。ジェラードによると、セント・ジョン…