Call for Papers for EASTS journal on Life, Science and Power in History in East Asia

雑誌 EASTS が、医学・生命科学の歴史と思想と社会の特集号を企画しています。特集号のエディターは、今年の4月から立教大学の教員となった高林陽展先生。9月30日締め切りと多少きつい日程ですが、ぜひご投稿ください。 雑誌については、以下のサイトを…

イギリス人名辞典のイェーガー博士

Oxford DNB: Lives of the week 今日のDNBは、19世紀の末に活躍した医師・動物学者・人類学者の グスタフ・イェーガー(Gustav Jaeger, 1832-1917) 。現在でもセーターなどで人気がある「イェーガー」の創設と関係がある学者である。 動物の体毛を使った洋服…

ミカド

www.biwako-hall.or.jp 8月に東京の新国立劇場で「ミカド」の公演。「ミカド」 Mikado は、1885年に初演されたコミック・オペラである。19世紀末のロンドンで公演されていた「コミック・オペラ」「サヴォイ・オペラ」と呼ばれるジャンルの作品の中で、一番の…

インドとイギリスの女性と医学について

DNBの「今日の人物」は19世紀末から20世紀に活躍した女性医師、メアリ・アン・デイコム・シャーリープ(旧姓バート)。1845年に生まれ、1930年に没する。ロンドンで法律を学んでいたウィリアム・メイソン・シャーリープに会い、結婚してインドに行く。そこで…

ブラジルのハンセン病 雑誌特集号 

* Robertson, Jo. "Leprosy and the Elusive M. Leprae: Colonial and Imperial Medical Exchanges in the Nineteenth Century." História, Ciências, Saúde-Manguinhos 10 (2003): 13-40. * Oliveira, Maria Leide Wand-del-Rey de, Carla Maria Mendes, Ra…

「異邦人が始める疫病」―19世紀のニュー・オーリンズの黄熱病

ウェルカム・コレクションで、高校生向けくらいの感じの医学史の記事があって、とても参考になる。書いてある内容も面白かったのでメモ。 1853年にニュー・オーリンズで黄熱病の大流行があった。人口は15万人程度だったが、黄熱病の流行で死者だけで1万人が…

ハノイのネズミと「コブラ効果」

www.atlasobscura.com アトラス・オプスクラの記事「ハノイにおけるネズミ抹殺大作戦」を読んで、面白い部分をメモ。 フランスが支配していたインドシナの首都はハノイであった。素晴らしい街であったが、非常にネズミが多かった。1897年から1902年まで長官…

『ワンダー・ウーマン』と20世紀中葉の女性運動と心理学

ウェルカム・コレクションの記事。20世紀中葉のコミックや映画などから非常に面白いイラストが使われている、必読水準の面白い記事。あと少し予習を入れて、一般教養の授業で使おうかとすら思っている。 『ワンダー・ウーマン』は1941年に連載が始まったアメ…

クレマチス

庭の花。バラが咲く時期が終わりました。次の花は、クレマチス。小さな花ですが、濃い赤が印象的です。

無料のお茶・無料のコーヒー・無料の薬

ただのアイデアのメモ。史実は何もないです(笑) 土居珈琲が6月のコーヒー豆セットに同封してきた文章を読んでいて、アメリカではコーヒーが無料で提供されるサービス品であった自体があったことを知る。土居珈琲の文章では、これだとコーヒーは量を重視す…

「世界で一番幸せな人物」と、休み休み仕事をすること

ツイッター経由で探した記事。「なんで休みなく働いている人が偉いの?」というタイトルにつられて読んでみた。大切なことだから書いておく。 多くの学者は、「世界で一番幸せな人物」になったことが人生で数回ある。すべての時間を注ぎ込んで、渾身の力を込…

ハンセン病 熊本 菊池恵楓園

全国ハンセン病療養所入所者協議会. 復権への日月 : ハンセン病患者の闘いの記録. 光陽出版社, 2001. 国立療養所菊池恵楓園入所者自治会. 壁をこえて : 自治会八十年の軌跡. 国立療養所菊池恵楓園入所者自治会, 2006. 国立療養所菊池恵楓園. 百年の星霜 熊本…

『日米会話手帳』を読んでみました

朝日新聞社. 『日米会話手帳』はなぜ売れたか. 朝日文庫. 朝日新聞社, 1995. 昭和20年に売り出して、3か月で300万部を売りきった、幻と伝説のベストセラーの『日米会話手帳』についての本を買った。多少の回想録と思い出などがついているが、やはり目当ては…

EASTS 最新号の記事

EASTSの最新号 である vol.11(2017), no.2. の実物が送られてきました。大道寺慶子さんが主著者である論文が掲載されています。1939年から41年にかけて中国の蘇州に新設された病院の歴史の研究。日本の医学、それも漢方医学が、帝国日本の医療的な先端として…

科学イラストと20世紀の人体 - 新刊書 

数年前までアメリカ国立医学図書館の歴史部門の責任者であった Michael Sappol 先生。来日して慶應でお話ししてくださったこともある。退職してスウェーデン(だったかな?)で悠々自適の生活を送られているとのこと。 サッポル 先生の新刊で、ドイツのカガ…

adust と melancholy と医化学派

今日のOED英単語は adust. 意味としては過度に熱された、陽光で焦げたなど。もとはラテン語で中世フランス語を経て英語に。医学の体液論を経たらしく、体液が加熱されて焦げたという意味が第一の意味。どの体液でもいいが、胆汁に関して言及されることが一番…

静止した動画

www.atlasobscura.com Atlas Obscura から面白い企画。<静止した動画> cinemagraph の事例。波が全体としてはまったく静止しているのに、水はダイナミックに動いて奔流となっている、矛盾が生きたまま凍り付いたような不思議な動画。大きなインスピレーシ…

タイの仏像展 

www.nikkei-events.jp 国立博物館で開催される「タイ 仏の国の輝き」 これは、できれば行こうと思っている。タイや東南アジアの仏像や古美術は、楽しそうな道楽だと興味を持ちながら、落ち着いて本を読んだり現物を見る時間がないまま、ほとんど放置されてい…

西丸四方 フロイトとDSMと分裂病

西丸四方. 彷徨記 : 狂気を担って. 批評社, 1991. 西丸四方は1910年生で2002年没。著名な精神病医であり、一族と先祖には精神医学者と小説家と精神病患者がぞろぞろいる、面白い一族である。祖父が島崎藤村、曾祖父は島崎正樹で藤村の『夜明け前』の主人公で…

昭和戦前期の精神病院の間取りと空間の利用 

大竹昭子『間取りと妄想』(東京:亜紀書房、2017) を読んでみた。研究上の非常にいいインスピレーション。「帯」の堀江敏幸の言葉もとてもいい。「家の間取りは、心身の間取りに似ている。思わぬ通路があり、隠された部屋があり、不意に視界のひらける場所が…

パストゥール In Our Time

www.bbc.co.uk BBCの人気ラジオ番組 In Our Time ある主題を選んで、その問題について深い見識を持っている学者を3人選んで行われる鼎談。司会の Melvyn Bragg さんも上手だが、出てくる学者たちの多くが話が旨い。もちろん、常連の名人というのがいて、科学…

Medical Humanties vol.43(2017), no.2.

Medical Humanities の最新号である 43巻2号は、<精神医療のコミュニケーション>と題された特集号。歴史、文学、アーカイブズからの写真などの馴染み深い主題の他に、いくつもの新しい志向の論考がある。必読文献集の一つになると思う。 個人的にも読んで…

ペンギン・カフェ 

www.erasedtapes.com ペンギン・カフェ・オーケストラは、今から30年以上前、私が高校生か大学生の時に世界的に流行した「コンテンポラリー・ミュージック」。LPのレコードも何枚か持っていて、CDを買い直したりしてきた。先日、創設者の息子が「ペンギン・…

演題募集―東アジアの植民地支配と医療(2018年3月・ピッツバーグ大学)

Call for Papers: The Intersections of Colonialism and Medicine in East Asia at the University of Pittsburgh | H-Japan | H-Net 2018年の3月にピッツバーグ大学で東アジアの植民地と医学についての大規模なワークショップ。カバーする主題も多様です。…

海洋汚染という問題

www.economist.com エコノミストの特集記事が、海洋に対する盲目の問題を扱ったもので、とてもいい記事だったのでメモ。20世紀の後半からだろうと思うけど、環境問題への感受性は高まっている。しかし、この多くが陸上の可視的な環境に対する感度である。水…

新刊『性の問題群』(2017)

historypsychiatry.com h-madness から新刊のお知らせ。著者の Paul R. Abramson 先生は、UCLAの臨床心理学の教授で、過去40年にわたって、法廷やキャンパスでにおいてさまざまな性の問題にかかわってきた。その経験をまとめた書物で、第一章と第四章は、精…

ソ連のTV上の集団催眠について

www.atlasobscura.com 旧ソ連末期の集団催眠療法について。1989年の10月に、ソ連のTVで奇妙なプログラムが連続して放映された。アナトリ・カンピロフスキーなる心理療法士が、TVで行った、ソ連の市民に向けられたセアンスだった。カンピロフスキーがTVに現れ…

博物館と医学史博物館の歴史 

ロンドンのウェルカム図書館のブログより。今回は博物館の歴史と、ウェルカム図書館の歴史について。 博物館は、もとは16世紀の王、貴族、教会有力者などの個人的なコレクションをもとにして、18世紀末のフランス革命以降、人々にあるべき教育を与える civic…

バラの開花とペチュニアなど

今日はお天気も良くなるらしく、朝の庭は美しい予感がしていました。黄色いバラがグレアム・トマス、ピンクのパラは、ガートルード・ジキルの半開きの花と開いた花、そしてペチュニアなどの花の写真です。

インドとトルコのシャンプー療法について

http://www.oxforddnb.com/public/lotw/1.html 今日のDNBは、ディーン・マホメッド (Deen Mahomed, 1759-1851)。インドからイギリスにわたり、ロンドンとブライトンで開業して成功した「シャンプー外科医」とレストラン経営者である。このあたり、私が知らな…

アメリカの精神病院の建築の歴史 展覧会 

アメリカの精神病院の歴史展が、ワシントンDC の国立建築博物館 (National Musuem of Buildings) で開催されているとのこと。ワシントンDC のセント・エリザベス収容院で、1850年代に建設された当初は250人の患者用であったが、1960年代には8,000人の患者を…

ガートルード・ジキル(バラ)の開花

庭でバラが開く季節が始まりました。今日はあいにくの雨でしたが、ガートルード・ジキルが開きはじめました。 ガートルード・ジキルは、イングリッシュ・ローズで有名なデイヴィッド・オースティンが作成したバラ。イギリスでも人気がある名花です。開花の時…

医療の社会史 30(2017), no.2 より。

Social History of Medicine, 30(2017), no.2 から。サイトは以下の通り。アブストまでは誰でも読むことができます。 https://academic.oup.com/shm/issue/30/2 Shepherd, Jade. "‘I Am Not Very Well I Feel Nearly Mad When I Think of You’: Male Jealous…

東京空襲と精神医療 - 外からのストレスと中からのストレス 

https://historypsychiatry.com/2017/05/11/new-book-therapeutic-fascism-experiencing-the-violence-of-the-nazi-new-order/ オクスフォード大学出版局から昨年でた著作『治療的なファシズムーナチ占領下で暴力を経験すること』についてのノートが h-madne…

中世の医学写本と患者の症例

グラズゴウの図書館が保有する、18世紀の著名な医師ウィリアム・ハンターが所蔵していた中世の医学写本に関する解説。オリジナルは、14世紀にイングランドで活躍した外科医のアーダーンのジョン(John of Arderne) この写本を詳細に研究したプロの中世医学史…

夕張の廃墟病院 An abandoned hospital in a city in Japan

An article (in Japanese) on the hyper-elderly society in Japan, which shows an eerie photo of the remains of an abandoned hospital. Looks like a fascinating subject for a thesis of medical history. もともとは夕張の超高齢社会の貧困な老人を…

旨味・ウマミ・savouriness

www.1843magazine.com Umami (旨味)の概念が欧米でも定着しつつある。化学者やプロの調理人だけでなく、スーパーでも簡便に手に入る商品でもウマミという考えが使われているとのこと。その事情に関する短くて面白い記述。 話は池田菊苗(1864-1936) という…

森田先生、そこは割り算ではなく引き算をするところです(笑)

森田正馬(1874-1938) に関する短い論文を書いている。森田は大正・昭和戦前期に活躍した精神病医である。神経衰弱に対する「森田療法」の創始者として著名であり、一般人向けに書いた精神医療の書物はベストセラーとなって20版を超えて刊行されていた。熱心…

アフリカ音楽について

エコノミストのコラム風のニュース( Economist Espresso) で、アフリカの音楽の将来について読む。現代のアフリカ音楽は、アメリカや中南米に移民した人々が、アフリカの伝統音楽をベースにしてさまざまなジャンルの音楽を作り上げて世界に広まったものであ…

VR (ヴァーチャル・レアリティ)の医療的な利用

麻酔に関する面白い記事。現代の医療には、さまざまな場面で麻酔が必要になる。面白いことに、そこには地域差がある。きちんとしたデータを持っていないが、日本での麻酔の利用は、欧米諸国のそれよりも程度が低いのだろうと私は思っている。ことに麻酔が用…

感染症の常在地・孤立地の間の移民の問題

予防接種という人為的な予防医学が広まる前の話。ただ、原理的には、予防接種以降の時期でも話は成立する。 ある感染症に関して、その感染症が常在している地域と、それを経験したことがない孤立した地域がある。常在している地域では、そこで生きている人間…

緩募:日本の顔面美観損傷・美容整形手術の歴史や社会科学的分析の専門家

イギリスの有力大学の先生からのお問い合わせ。別の仕事で一緒にお仕事していたときに、日本の顔面損傷、美容整形手術について、歴史学者や社会科学の学問の専門家を知らないかとのこと。イギリスの国際共同研究への申請にかかわるお仕事のようです。この件…

20世紀の偉大な心理学者100人のランキング 

Haggbloom, Steven J., Renee Warnick, Jason E. Warnick, Vinessa K. Jones, Gary L. Yarbrough, Tenea M. Russell, Chris M. Borecky, et al. "The 100 Most Eminent Psychologists of the 20th Century." Review of General Psychology 6, no. 2 (2002): …

心理療法の歴史 - History of Human Sciences 特集号 

History of Human Sciences, vol.30(2017), no.2 が「心理療法の歴史」の特集を組んでいる。 特集号のエディターは、ロンドンのバークベック・コレッジのフェローのサラ・マークス先生。ご専門はチェコスロバキアを中心とする東欧の精神医療の歴史で、その他…

収容所の中の自由 - 世紀末オーストリアの精神病院の建築 

19世紀後半から20世紀初頭のオーストリア・ハンガリー帝国における精神病院の建築に関する新しい研究書です。 19世紀後半に西欧社会では、個人の自由という理想が確立した。それに思いを馳せた精神病医や官吏たちは、精神病院の外では不可能なほどの高い水準…

エコノミストより、高校生の野心と不安について

OECDの調査で、今年はOECD各国に限らず、世界の様々な国にも協力を要請したとのこと。高校生を対象にして、「クラスで一番になりたいか」「試験で十分な準備をしてきても不安か」という二つの質問をして、その割合をグラフ上で表現したもの。心理学的な原理…

『ラウトレッジ 狂気と精神医療の歴史』が新刊されました! 

https://www.routledge.com/The-Routledge-History-of-Madness-and-Mental-Health/Eghigian/p/book/9781138781603 ラウトレッジから『狂気と精神医療の歴史』が新刊されました。グレッグ・エギガン先生が編集した精神医療の歴史の大全であり、この段階で出す…

医学史とはどんな学問か 第5章 宗教改革とパラケルスス主義 

『医学史とはどんな学問か』の第5章「宗教改革とパラケルスス主義 1550-1650 」です。ご一読のうえ、ご批判を頂ければ。 keisobiblio.com

エコノミストより、世界各国の宗教に対する抑圧と制限の比較

www.economist.com エコノミストに、世界各国の宗教への抑圧をグラフにしたものが掲載されていた。政府による宗教の制限と、人々による宗教への社会的な敵意の二つの指標を取ったもの。グラフの右上が、政府も社会も宗教を激しく抑圧している国ということで…

20世紀精神医学史のブログ 「隠れた説得者」と、管理職世代のブログ修行の概念について

http://www.bbk.ac.uk/hiddenpersuaders/ 19世紀から20世紀の精神医学の歴史の研究者である Daniel Pick 先生と、彼のチームが設立したブログ hiddern persuaders . 設立されたばかりで、まだ豊かなコンテンツはないが、非常に興味深い主題を取り扱っている…