医療の歴史の名場面の写真集

Hansen, Bert. "Medical History’s Moment in Art Photography (1920 to 1950): How Lejaren Hiller and Valentino Sarra Created a Fashion for Scenes of Early Surgery." Journal of the History of Medicine and Allied Science 72, no. 4 (2017): 381-4…

医学と歴史を両方勉強する仕組み

医学史の研究動向に関する論文を大急ぎで書いている。明日には仕上がって原稿を送ることができる。主題はイギリスの医学史の発展で、それを振り返りながら、これからの日本で医学史はどうなるのだろうとやはり考えてしまう。その中で考えがまとまった部分が…

ミルトン『失楽園』

大学院生とミルトンの『失楽園』の最後の部分について話していて、暗唱できなくなっていたことが分かったので、Evernote に書き写し、ブログにも書いておく。少なくとも、with wandering steps and slow の部分は出てくるようにする。以上、誓いました(笑)…

医療のリスクについて

磯野真穂、上田みどり. "心房細動の抗血栓療法における不確実性―人文・社会科学の立場から." Medical Science Digest 42, no. 11 (2016): 509-13. 先日の京都のワークショップでお会いした磯野先生に論文を頂いた。医療におけるリスクが、医療者と患者にとっ…

医療のリスクについて

磯野真穂、上田みどり. "心房細動の抗血栓療法における不確実性―人文・社会科学の立場から." Medical Science Digest 42, no. 11 (2016): 509-13. 先日の京都のワークショップでお会いした磯野先生に論文を頂いた。医療におけるリスクが、医療者と患者にとっ…

『医療人文学』最新号ー特集「恥・スティグマ・医療」

Current Issue | Medical Humanities イギリスのBMJ の Medical Humanities の最新号が「恥・スティグマ・医療」の特集号です。ある病気にかかったことを恥と思いスティグマととらえる現象、ちょうど知りたいところでした。今回は特集記事も多く、目を通すこ…

明治期末の会社組織の病院

同じく京都医事衛生誌の明治43年10月発行の199号の記事に、大阪と京都に会社組織の病院ができたというニュース。 まずは、神戸―大阪に合資会社組織の病院が設立されたというニュース。これは高橋眼病院という。病院と言えばこの時期は官公立か一私人の設立だ…

京都医科大学新入学生・高校別合格者数 明治43年

たまたま読んでいた明治43年10月の『京都医事衛生誌』に京都医科大学新入学生の、旧制高校別の合格者数があって、よく分からないので、とりあえずメモしておく。 東大の学生は、単位を普通に取っていくと駒場から本郷に行くから、私は一高と東京帝大は実質上…

中世イタリアにおける解剖用の刑死体

13世紀末から14世紀中葉にかけて活躍した画家にピエトロ・ロレンツェティという人物がいる。彼がアッシジの聖フランシスコ教会のバジリカにフレスコを描き、その中で、首を吊って自殺したユダを描いている。身体は歪んで下方に引っ張られたようになり、下腹…

医療費の配分―医師・売薬の優勢と加持祈祷の不在

もう一つ、昭和13年木更津保健所のデータから、二つの村の医療費の構成の比較について。面白いのは、医師に支払った額、売薬などに使った額、電気と針灸、そして加持祈祷などに使った額である。8割が医師、1割5分が売薬で、費用としてはこの二つがほとんどで…

昭和13年木更津保健所のデータから 性病

千葉県木更津保健所 事業報告 第1号 S13.7-S13.12. 健康相談と結核予防 外来、出張、保健婦の結核患者訪問、結核予防寄生ちゅう乳幼児保険事業花柳病、防疫、住宅調査、栄養改善、農村の医療費 結核の患者の発見、あっというまに360人の結核患者を外来と健康…

ジークムント・フロイト博物館

www.freud-museum.at ウィーンのベルクガッセ19番地にあるフロイト博物館。フロイトが居住し開業していた場所を利用した博物館である。開業は1891年から1938年までで、私が調べている王子脳病院は1901年から1945年だから、フロイトのほうが少しだけ長期にわ…

History of the Human Sciences のウェブ戦略

History of The Human Sciences History of the Human Sciences という雑誌がある。方向としては「思想と文化」の視角で人間科学の歴史を分析するものである。私の専門の「社会」の視角からの精神医療の歴史と深くかかわっている雑誌である。ずっと論文を投…

20世紀初頭の老齢者差別

Gruman, Gerald J. editor. The "Fixed Period" Controversy : Prelude to Ageism. [S.l.]: Arno, 1979. ウィリアム・オズラー(William Osler, 1849-1919) は、現在のカナダ出身で、19世紀末にアメリカの医学を大きく進歩させた偉大な医師である。ことに、1…

小倉清三郎と相対会

第1組合相対会. 相対会研究報告 : 故小倉清三郎研究報告顕影会復刻. 銀座書館, 1986. 小倉清三郎(1882-1941)は日本の著述家と社会運動家で、初期の性科学と性の経験の著作を多く出版した。英語を学び、ハヴロック・エリスの書物などに影響される。性科学と…

医師からの転職と出版印刷業

Kerr, Robert, and Richard B. Sher. Memoirs of the Life, Writings, and Correspondence of William Smellie. Scottish Thought and Culture, 1750-1800 / Series Editor, Richard B. Sher. Vol. . Contemporary memoirs: Thoemmes, 1996. 医者という仕事…

台湾の「蛮族」についての新刊と戦前日本の台湾の高砂族の精神医療調査について

www.luminosoa.org 台湾の高砂族については、1940年代に詳細な精神疾患調査が行われたことを知っている。九州大学の医学部精神科の教授である下田光造が組織して、九大の一流の若い精神科の医師たちが、台湾の原住民である高砂族が生活する山間の空間に入り…

越前市・医者通りとロンドンのハーリー・ストリートの思い出

多くの皆さんの家にも宅配されていると思うが、ヴィザカードを使っていると Partner という月刊誌が送られてくる。そこに小林泰彦がイラストと文を書いている「にっぽん建築散策」という記事がある。地図と名所と観光を組み合わせたような内容が、何気ない言…

香港のバイオテック産業のSTS

Luk, Christine Y. L. . "Biotech in Hong Kong: How Biologist-Entrepreneurs Pursued Hong Kong's Bioscience Dream." EASTS 10, no. 3 (2016): 291-313. 現代の香港のバイオテック産業を分析した STS の論文。STSというのは、Science and Technology Stud…

ボードゲーム「パンデミック」の国際感染症対策の学際性について(笑)

Pandemic www.hobbyjapan.co.jp 今年の一般教養は精神医療の歴史で、これから20世紀に入るのだが、これまでなかなかいい授業ができた。来年の一般教養は疾病の歴史になり、古代から現代までの疾病の歴史の話になる。どんな話にしようか考えていたら、研究員…

学習院大学 明・清の医療市場の歴史についての講演会

www.univ.gakushuin.ac.jp 11月24日の17時より、中央研究院の祝先生による中国医学史の社会史的な側面についての講演が行われます。欧米では30年ほど前に主流となった分析手法ですが、この手法をアジアで最初に定着させ、実践したのは台湾の中央研究院でした…

2018年 Taniguchi Medal の応募要項

東アジアの医学史の若手研究者への賞に Taniguchi Medal があります。2年に一度、若手の英語論文を公募して優秀作品が選ばれる仕組みです。以下の要領で、今年も行われます。ご応募ください! he Taniguchi Medal commemorates the great contribution of Mr…

三田祭企画― LGBTQ

慶應の三田祭で LGBTQ の展示が行われます。25日の夕刻にはスペシャルトークイベント。お時間を見つけて、ぜひおいで下さい。 Keio Qは、11月23日から26日まで行われる第59回三田祭にて「Be an LGBTQ Ally!」という名前の常設展示を行います。 展示では事前…

三田祭講演会 「ロボトーーク どうなる!?ロボットと人工知能の未来」

三田祭にて学生が企画した講演会「ロボトーーク どうなる!?ロボットと人工知能の未来」が開催されます。ロボットと人工知能の問題。20年前にはSF映画だけの話題になるのではと思っていたのですが、確実に私たちの実際の生活に入ってきていますね。 https:/…

「医学生は医学教育をどう見ているか」

医学書院/週刊医学界新聞(第3248号 2017年11月13日) 週刊医学界新聞に掲載された「医学生は医学教育をどう見ているか」の記事より。2016年の12月に行われた全国70医学部の学生4129人から得たアンケート。 「目指す医師・医学者像を考える機会を十分に得られ…

『いつか王子駅で』

堀江敏幸. いつか王子駅で. 新潮文庫. Vol. ほ-16-1: 新潮社, 2006. この本を買ったのは王子のあたりについての感覚を持ちたかったからなのか、堀江敏幸というフランス文学を修めた作家に興味があったのか、どちらか忘れてしまった。王子のあたりでも、「尾…

新刊ーヴィクトリア時代イギリスの精神病院における患者の身体について

historypsychiatry.com h-madness の記事でしばらく前からアマゾンを空けると必ず推薦されていた新刊の中身が多少わかるようになった。精神病院の患者に関するさまざまな資料から、患者の身体部位に医療者がどのように反応・対応したのかという研究であると…

Medical History 書評委員長を退任いたしました。

Med Hist Volume 61(4); 2017 Oct 2013年の57巻1号にはじめた雑誌Medical History の書評委員長の仕事を、2017年の61巻第4号の出版で終了し、退任いたしました。5年間のあいだ、書評構成の仕事を手伝ってくださった皆様に、心よりお礼を申し上げます。Medica…

映画『プラネタリウム』と降霊術の世界

planetarium-movie.com 一つ大きな書評を終えて、仕事をしなくていい土曜日を作り出した。静岡で映画『プラネタリウム』を実佳と観る。ナタリー・ポートマン、リリー=ローズ・デップ、エマニュエル・サランジェが出演している。 1930年代のパリとフランスが…

オランダの薬箱

https://www.amazon.co.jp/Collectors-Cabinet-Miniature-Pharmacy/dp/9491714724/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1510221836&sr=8-1&keywords=collector%27s+cabinet+with+miniature オランダのアムステルダム国立博物館が所蔵する薬箱についての詳細な書物。おそ…