向田邦子『あ・うん』と精神疾患患者の見知らぬ隣戸への侵入

精神疾患の患者と家族と隣戸の対応について。私宅監置ではなく、その10倍ほどの数がいる非監置の場合である。 地方部においては、わりと自由に村の中を歩き周り、人の家にふらふらと入って行った例も記録されている。18世紀から19世紀のイギリスにおいてもあ…

トマス・クックの袋

倒産してしまった旅行会社 Thomas Cook. 使ったことは一度もないが、19世紀末からの小説や現代の歴史映画などにもよく登場した。と思っていたら、自宅にあった硬貨入れの袋がクック社のものだった。いつ使ったのだろう。 トマス・クックの袋です

伊藤晴雨の包茎手術

伊藤, 晴雨. and 太. 福富 (1996). 伊藤晴雨自画自伝, 新潮社. 自画自伝の中に20代の後半で包茎手術を受けているありさまを書き、その挿絵を自身で描いているのでメモと挿絵を保存しておいた。 伊藤は20代後半まで童貞で、時々吉原に行っていたがどうも勃起…

埋め立て湖とラムサールとバードウォッチング

en.wikipedia.org 外国に行くと時々バードウォッチングをする。一人で公園に行ったり散歩道を歩いたり位。今回はもちろんできなかったが、ルフトハンザの機内誌を読んでいて、300種類もの野鳥を大きな埋め立て湖が提供しているという記事を思わず読みふけっ…

池波正太郎とSMと万引き中毒症

松竹の歌舞伎の会の月報の『ほうおう』。11月号を読んでいたら、1977年に初めて書かれて初演された歌舞伎の作品が、江戸時代に起きた現象としてサディズムとマゾヒズム、そして万引きに依存し続ける人格を論じているという面白い記事があったのでメモ。著者…

“Review of Eye Eye Nose Mouse and Reflections on Psychiatry and Art in Japan” is just published.

I had an interesting virtual meeting with editor of Japanese and Chinese mental patients’ artworks at Harvard several months ago and wrote a review of the catalogue, as well as some reflections on psychiatry and art in Japan in Creative Ar…

『オリエント急行殺人事件』

ケネス・ブラナーが主演して監督した映画『オリエント急行殺人事件』を観た。映画公開が2017年だったこともあって、観るのが2年くらい遅れた感じがします。 年をとった俳優は私が好きな役者たちばかりだし、若手の役者も、初めて観るが注目する人が多くてと…

クリスチャン・サイエンスの宗教的心理療法

アメリカのキリスト教系の宗教的心理療法、あるいは民間心理療法の本を読んだことがないことに気がついたので、kindleで100円くらいで買って読んで見た。Mary Baker Eddy が1875年に刊行した Science and Health with Key to the Scriptires である。文体に…

スミソニアン博物館よりPTSDと心理テストの歴史

www.smithsonianmag.com スミソニアン博物館から面白い記事のメール。第一次世界大戦と PTSD について。さまざまな写真や文書が残っています。日本でもこのような事例に対応する文書やできれば写真などを収集して国際的なデータにすることが一つの目標になり…

環境問題とケニアのシロサイの救い方

www.economist.com エコノミストの地図利用コーナー。今週は世界の絶滅危惧種について世界地図で表現している。危険なゾーンはやはり熱帯に多く、東南アジア、ブラジル、そしてインドの東北部などに多い。また、温帯においても、数十年レベルでの劇的な変化…

Creative Arts in Education and Therapy に Essay Review が掲載されました!

caet.inspirees.com ネット上でお声を掛けられて書評を書くことになりました。基本的にはハーバードで行われた中国と日本の精神病患者による芸術作品の展覧会の評論です。私の専門からは多少ずれますが、能や歌舞伎などの日本の伝統芸術における狂気の表現が…

古い栞(しおり)

栞(しおり)は何となく集めている。これはしおりとして売られている立派な市販品を買うことではなくて、寺や教会や博物館に行ったときの入場券をしおりとして使うためにしまっておくことである。ただ、最近はしおりへの逆風が吹いていませんか?私にとって…

セル看護提供方式®とは何か

www.igaku-shoin.co.jp 週刊医学界新聞の最新号で「セル看護提供方式」®が説明されている。これが面白いのでメモ。 もともとは製造業の世界にセル生産方式と呼ばれる生産体制があり、1人、もしくは数人の小集団が製品の組み立てから検査までの全工程を受け持…

慶應出版会より生命の教養学『感染る』(うつる)が刊行されました!

慶應出版会より生命の教養学・第14回の『感染る』が刊行されました。編者は赤江雄一先生と高橋宣也先生。 感染症は地球上から消滅するはずでした。1980年には「我々は感染症の医学教科書を閉じなければならない」と言われています。それが、HIV/AIDS の大被…

二十四節気の秋分

秋分は仲秋8月の中気。この部分をどう解釈するか説明すると、全体で24の節気、その中で秋はもちろん6つの節気がある。立秋、処暑、白露、秋分、寒露(かんろ)、霜降(そうこう)である。そこに三つの孟と仲と季が重ねられる。春は孟春、仲春、季春、夏は孟…

広告における月経の生理的出血の色など

www.bbc.com 広告における月経の出血についての記事について。BBCがオーストラリアの事例を記事にしている。経血をそのまま動画にしても問題なしとのこと。私はその動画を見ることができなかった。日本に住んでいるからなのかな。サイトの広告用の写真を見て…

中国のらい病・ハンセン病

Burns, Susan L. Kingdom of the Sick: A History of Leprosy and Japan. University of Hawaiʻi Press, 2019.Leung, Angela Ki Che, 梁, 其姿. Leprosy in China: A History. Columbia University Press, 2009. Studies of the East Asian Institute. バー…

スクラブル!(笑)

今日の午前中はゆっくり休みながら実佳とスクラブル。昨日は辞書を引いて色々と感心していた医学史家の勝利。しかし POX を入れてきたのは英文学者です(笑) 医学史家による辞書研究の勝利。英文学者は数週間待って辞書の最新版を買うとのこと(笑)

エホバの証人

土曜朝はエコノミスト・エクスプレス(笑)今朝も、楽しい記事がたくさんあったけれども、いつものメインセクターではなくて別のセクターの記事が目に留まった。 Jehovah's Witness エホバの証人のメンバーが6人、ロシアで拘束されたという記事である。昨日…

デュシャンの作品「薬学」

フランス出身でのちにアメリカ合衆国に移住した画家のマルセル・デュシャン。インパクトがある絵画とチェスの腕で高名である。 初めて知ったのだが、彼の1914年の作品群で、Pharmacy という作品群が存在する。基本的には大量生産されたポスターなどに少しだ…

スクラブル!

en.wikipedia.org スクラブルというイギリスの遊びがある。多くの人がやったことがあると思う。英語のアルファベットごとに点数がついていて、それを並べて高い点を取ろうといゲームである。手元の7枚のピースにはAやBというアルファベットが書いてあり、そ…

3人の女たちが捏造した多重人格という診断概念

どの部分が正しく、どの部分は間違っているのかは私にはわかりませんが、とても面白い本です。ぜひお読みください! 昨日読んだシビルの多重人格の捏造問題。患者と精神分析医とジャーナリストによって1970年代に作られ、70年代と80年代に多くの人々が「信じ…

多重人格と捏造と母親の問題

Schreiber, Flora Rheta. 失われた私. 巻正平訳. 早川書房, 1978. ハヤカワ文庫.Schreiber, Flora Rheta. Sybil: The True Story of a Woman Possessed by Sixteen Separate Personalities. Penguin, 1975.Hacking, Ian, “Making Up People”, London Review …

『近現代日本の民間精神療法 不可視(オカルト)なエネルギーの諸相』を頂きました!

吉永先生が編集され、中尾麻伊香さんと奥村大介君が素晴らしい論文を掲載しています! 近現代の日本の民間精神療法。非常に高い水準の書物が刊行されました。中尾さんや奥村君の素晴らしい論文はもちろんですが、最後の100ページ弱は、民間精神療法・主要人…

『図説 医学の歴史』の書評です!

私たちに敬愛されている坂井建雄先生の著作である『図説 医学の歴史』が刊行されました。医学史の一般教科書とは何かを考えた時に、一つの方向を完成させた書物です。一方で、その方向を私がどう考えるのかという批判的な部分も書きました。 しかし、それに…

朝鮮移民と精神病院

20世紀前半の朝鮮人の移民 Korean workers について、英語の本からデータを拾って、背景の部分を作った。 朝鮮移民は、帝国主義の歪みの中で作られた悲惨な状況を味わった人物が非常に多かった。ことに患者Aに関しては、1920年代から30年代にかけて非常に多…

遺産が持つ意味と歴史ドラマ

土曜日の エコノミスト・エスプレッソ。今日は特別に面白い記事。 『ダウントン・アビー』という人気歴史ドラマがある。イギリスのTVで上映して大成功だった。私はそれほど観ていないが、妻と娘はDVDを買って熱心に観ていた。基本はイギリスの大貴族がアメリ…

睡眠と古事類苑

福武敏夫「漢字から見る神経学」。『週刊医学界新聞』で楽しみにしている月一回の項目。今回は「睡眠」が掲げられている。睡眠という言葉自体は前漢の『易林』に現れているだろうとのこと。「睡」は、花が垂れることで、目が垂れることだろうとのこと。眠は…

クレマチス

クレマチスの花柄(はながら)が美しいので摘んでみました。これは、植物学的には、「実」が正しいのでしょうか? クレマチスの花柄です。

奥州安達ヶ原と胎児の胆の入手

月岡芳年が1885年に売り出した「奥州安達がはらひとつ家の図」という非常に有名な作品がある。もともとは浄瑠璃『奥州安達ヶ原』の「ひとつ家」のストーリーを浮世絵にしたものである。もちろん、狂気が登場しない他の安達ヶ原のヴァージョンもたくさんある…