『ハリー・ポターと不死鳥の騎士団』

飛行機の中で映画『ハリー・ポターと不死鳥の騎士団』を観る。

原作はすごく長くて、読み飛ばしながら読んだ記憶がある。映画で観たかったのは、二人の敵役。一人は、魔法省からホグワーツに派遣された先生で、魔法省の方針に盲従する官僚主義者のドローレス・アンブリッジ。小柄で肥満したおばさんで、わざとらしく甘ったるい話し方、ピンクの服、少女趣味のインテリアといったフェミニニティの背後にサディズムを隠した、いかにもいそうな感じの敵役。名前を知らない女優だったけれども、すごく説得力がある仕方で好演していた。もう一人が、ヴォルデモートに最も忠実な手下の女性魔法使いのベラトリックス・レストレンジ。私が好きな女優のヘレナ・ボナム=カーターが、邪悪な狂気を楽しそうに演じていた。こういうちょい役でも存在感がありますね、彼女は。

あるイギリスの月刊誌で、ハリー・ポターは当初は児童文学の王道の「学園もの」だったけれども、第四巻から、その枠組みに収まらない巨大な規模のストーリーを語るようになったという批判を読んだことがある。この映画を観る限り、この批判が当たっているのかなと思う。


追記: 家に帰って聞いたのですが、アンブリッジを演じたのは、イメルダ・ストーントン (Imelda Staunton) という、昨年、帝国勲章を貰った名女優だそうです。