ウェルカム図書館



ロンドンにあるウェルカム図書館を紹介した本を読む。文献は、Gould, Tony ed., Cures and Curiosities: Inside the Wellcome Library (London: Profile Books, 2007). 

ウェルカム図書館の利用者やライブラリアンなど関係が深い人たちが、大きな文字と美しいイラストでその図書館の魅力を語ったコーヒーテーブル・ブック。ヴィジュアル的に優れ、文章も読み応えがある。ライブラリー・ユーザーよりもはるかに頭が良いプロのデザイナーとエディターがかかわった仕事である。あの図書館を愛している人は、この本がなくても愛しているだろうし、逆に、美しいコーヒーテーブル・ブックを読んだからといって、ある図書館を愛するようにはならないと思うけれども、まあ、そういう老人の繰言のようなことはいい(笑)。

ウェルカム図書館は、大手製薬会社のウェルカム財団が持っている図書館で、ロンドンの便利な場所にあるうえに、最近は集客力がある魅力的な特別展示をするようになっている。なお、大方の思い込みに反して(笑)これは公共の図書館なので、パスポートなど身分を証明できるものを持っていれば誰でもその場で入れるし、入館証を作ってもらえば、有効期間中であれば、ネットを通じて図書館が持つさまざまなリソースを利用できるというすごく大きなメリットがある。 http://library.wellcome.ac.uk/

画像は、さすがに膨大なコレクションから見映えがするものが選び抜かれているからどれもインパクトがあって、どれにしようか迷ったけれども、本のカヴァーに使われている、1800年くらいのミメント・モリを男女一対で。カタログにはミメント・モリとあるけれども、これは、日本で言うところの衛生展覧会のノリというべきなのかもしれない。