日本の地形

必要があって、日本の地形学の入門書を読む。文献は、貝塚爽平『日本の地形-特質と由来』(東京:岩波書店、1977)

日本の国土は安定大陸ではなく、活動帯に属している。複数のプレートが出会う地点にある場所に、千島、東北日本、西南日本、琉球などの複数の島弧があり、これらが地殻変動や隆起の結果、複雑な地形をなしている。急峻な斜面を駆け下りる川は、はげしい豪雨が多い気候とあいまって、山を削り谷を深めて、平野を堆積させる。日本の河川が激しく山をけずる力は、外国の川に較べると著しく高く、これを測定して国際地理学会で報告したとき、欧米の学者たちから単位を一桁間違っているのではないかと指摘されたそうだ。また、明治に日本に来たイギリス人チェンバレンは、「日本の河川は川というより奔流だ」という言葉を残し、明治24年に豪雨のあとの川をみたオランダ人技師は「これは川ではない。滝だ」という名文句を残したという。

私たち日本人は、川と言えば河原があるのが当たり前だと思っているが、実はこれは外国では珍しいと書いてあって、なるほどと納得した。