アイ・ウェイウェイ展

六本木の森美術館で開催中の『アイ・ウェイウェイ展』に行く。ウェブサイトは以下の通り。
http://www.mori.art.museum/contents/aiweiwei/

アイ・ウェイウェイは、私は寡聞にして存じ上げていなかったけれども、現代中国の有名なクリエイターで、北京オリンピックのスタジアムの設計と建築のときに、建築家たちとコラボレーションして国際的に評価が高まったという。今回の森美術館の展示は、過去最大級の個展だという。

中国のバロックらしい威厳がある重厚さを感じさせる立体や、繊細で日本人好みの中国家具にインスピレーションを得た楽しいオブジェなどもよかったけれども、私の心に一番響いたのは、北京の再開発を撮った写真からなる作品だった。 北京のいたるところで進む都市開発は、古くて安物の長屋のような古い居住区が壊され、裸の土がむき出しにされて、その上に近代的な高層建築が建てられていくという、まあ、ありきたりといえばありきたりだけれども、その写真を数百枚集めて、一つの部屋の床と壁を埋め尽くした作品である。その中に入っていったときに、歴史がある都市の破壊と再生にともなう色々な感情の渦の中に放り込まれたような感じがした。まだ行っていないし、もしかしたら一生行かないかもけれども、北京に深い魅力を感じさせる作品だった。 

この展覧会は11月8日まで。ちなみに、次は、11月28日から、「医学と芸術 生命と愛の未来を探る」という必見の展覧会ですから、よろしく(笑)