ヴェルディ『オテロ』

新国立劇場ヴェルディ『オテロ』を観る。

私が一番好きなオペラの作品で、たぶん5回くらい観ている。新国立劇場で観るのは二回目だけれども、このプロダクションだったかどうか記憶があやふやである。そう思う理由は、このプロダクションだったら、かなりの違和感を持っていたはずだから、記憶に残っているだろうという程度の、まあ根拠薄弱なことなんだけど。

その違和感の理由は、この舞台がヴェニスに設定されていることである。運河といい橋といい舞台の上には小ヴェニスが作られていた。もちろん「オセロー」の舞台はキプロスで、ヴェニスの帝国の辺境を守る軍隊の司令官が主人公である。

新国立劇場では、この間も『ドン・ジョヴァンニ』をヴェニスに設定した演出があった。ヴェニスはカサノヴァの街だし、近世にはヨーロッパの官能の中心だったから(笑)、これは特に違和感はないけれども。

・・・と、少し否定的なことを書いたけれども、好きな作品だから、そんなことはたいした問題じゃないと割り切って、堪能させていただきました。特に「柳の唄」から始まる四幕は、最初から最後まで嗚咽しっぱなしでした(笑)