玄武は沼にいてほしい


今日は無駄話。

奈良に短い旅行に行ってきて、遷都1300年の盛大な催し物の企画で賑わっていた。その中で、平城京を定めるときに、桓武天皇は「四禽、図にかない、三山、鎮をなす」と言い、陰陽五行説に基づいてこの地を都と定めたそうだ。「四禽」の「禽」というのは、鳥に限定せず、鳥獣という意味で、四つの方角を現す神獣である。 東西南北に、以下の配置で四種類の獣がいる。 東に青龍でこれは川・流水を現す。西は白虎でこれは大道を現す。南は朱雀でこれは沼・湖を現し、最後に北にいるのが玄武で山を現す。

こういうものは、記憶しておくといい。 平城京、平安京にも当てはまったのだろうけれども、憶えるだけならば、江戸というか東京でも、東西南北に自然地形のアイテムを当てはめればいい。東に利根川、西に東海道、南に江戸湾、北に関東の山。 これで憶えられる。 それぞれに対応する神獣の覚え方だけど、東と西は難しくない。川に龍、道に虎というのは、自然に連想できる。問題は、沼に朱雀、山に玄武(カメ)という対応である。山に、カメか・・・ やっぱり、カメは沼にいてほしい(笑)

ちなみに、ガレノスの四体液説である、血液、黄胆汁、黒胆汁、粘液が、それぞれどんな元素・性質に対応するかというのは、必ず覚えられる方法があって、学生にはよくこれを教えている。ポイントは黄胆汁だろう。これは「コリック」という言葉が示すように、怒りの体液である。粘液は鼻水のようなものが考えられていたことを覚えると、それぞれ、火(烈火のごとく怒る)―水に対応することは覚えられるだろう。そこを憶えれば、あとは、血液―黒胆汁が、空気―土に対応することは、自然に連想できる。

画像は高松塚の白虎。 これは、西で、道にいる獣ですからね(笑)