Wellcome History

Wellcome History の最新号に目を通す。今回は、ケンブリッジで新たに始まった生殖の歴史の学際的なプロジェクトの紹介がたくさん載っていた。たまたま妖怪学で有名な文系の先生と理系の発生生物学者との間での対話的な授業の裏方をすることになっていたので、喜んで読む。

バビロニア楔形文字で書かれている畸形の出産と予言の関係(「手を八本持ち、尾を二つ持つ畸形が生まれたら、支配者は世界の王となるだろう」)も面白かったし、17世紀の占星術的な医者のサイモン・フォアマンの診療記録を合計1万件記載したデータベースは正直おどろいた。一番すぐに使えるのは、Making visible embryos というオンラインの展示で、中世から現代までの胎児にかんする科学が、インパクトがある図像付で的確に解説されている。これを説明するだけで、2回くらいの充実した授業がそのままできる。

なお、このWellcome History 医学史の研究者には無料で送っているから、ウェブ上で申し込んで購読している人も多いと思う。最新号もバックナンバーもPDFで読める。Wellcome History で検索するか、以下のサイトをクリックするといい。
http://www.wellcome.ac.uk/About-us/Publications/Wellcome-History/index.htm