統合失調症と硫黄発熱療法

みなさま、特にお医者さまに伺いたいことがあります。はるか昔の精神科の療法についてですが、特に精神科である必要はないかもしれません。硫黄発熱療法は、統合失調症、昔の言葉でいう早発性痴呆にどのような効果があると考えられるか、ということです。

昭和戦前期の精神病院では、患者が興奮したときに、アルカロイド系の鎮静剤を与えられています。薬の名前で言うと、ナルコポンとかスコポラミンと書かれている薬です。これは、なんとなく分かります。一つ不思議なのが、患者が興奮したときに、硫黄発熱療法を行うという投薬パターンです。硫黄発熱療法というのは、マラリア発熱療法にヒントを得て、マラリアよりも扱いが楽な硫黄化合物を注射して発熱させて、進行麻痺を治そうとした療法だと私は理解しています。その硫黄発熱療法で使われていた薬品の「ズルフォシン」が、患者が興奮したときに使われています。 たとえば、以下のような場合です。

昭和10年6月1日には「落ちつきなく興奮。陰部露出して平気。午後ズルフォシン3.0cc」、昭和12年の8月14日から18日にかけて、「興奮し多動多弁あり。硝子一枚破りおり。ルミナール2.0瓦」「独語怒号を発す。ズルフォシン2.0cc注射」「廊下窓硝子二枚破る」「窓硝子1枚破る。ズルフォシン2.5cc」

暴行があったときに、ルミナールで対処されるときもあるし、ズルフォシンが打たれることもあるというパターンは明らかです。 硫黄発熱って、鎮静効果があるんでしょうか?