精神医療の歴史

めったに見ないレファレンスを参照する。文献は、Stone, Michael H., Healing the Mind: a History of Psychiatry from Antiquity to the Present (London: Pimlico, 1998).

歴史書というよりも、中項目を年代順に並べたレファレンスで、うまく使えばきっと役に立つのだろうけれども、主眼となっている年代が20世紀の後半ということもあって、あまり使ってこなかった。隣にあるショーターの辞典(A Historical Dictionary of Psychiatry)はよく見ているんだけど。「古代から現在まで」という触れ込みの歴史の書物だと、往々にして「現在」にあたる部分の記述が薄いという特徴があるが、この書物はその反対。著者が現役の精神科の医者であるということも手伝って、1900年までは記述が薄く、書物の2/3は20世紀であり、それも戦後と精神分析の衰退のあとの説明にかなりのページが割いてある。また、児童精神医学にかなりの重点がかかっている。