プラーツ『肉体と死と悪魔』


マリオ・プラーツ『肉体と死と悪魔―ロマンティック・アゴニー』倉智恒夫・草野重行・土田知則・南條武則訳(東京:国書刊行会、1986)
精神病患者の妄想について確かめたかったことがあって、19世紀の幻想についてプラーツが考えていることをチェックした。この本は、チェックするたびに、読みふけってしまう。

ユイスマンスがモロー『サロメ』について書いた文章をメモした。
「瞑想的な、荘重な、ほとんど厳粛な顔をして、彼女はみだらな舞踊をはじめ、老いたるヘロデの眠れる官能を呼びさます。乳房は波打ち、渦巻く首飾りと擦れ合って乳首が勃起する。」394