『新版 大学生のためのレポート・論文術』

小笠原喜康『新版 大学生のためのレポート・論文術』(東京:講談社現代新書、2009)

必要があって、「論文の書き方」編の新書を読む。人気があった旧版にかなり手を入れて、新版として書き改めたとのこと。学部1・2年生から卒論くらいまで、大学で課されるレポート・論文が、それらしい形を持つようにするためのマニュアルを丁寧に説明した書物である。

類書をいくつか読んだけれども、この書物は、「マニュアル」というものに徹していて、好感が持つことができる。冒頭から、ワードの形式の話をしているあたりも、なるほどと納得することができる。私自身は、澤田昭夫の『論文の書き方』『論文のレトリック』を漠然と使っているけれども、この書物には、著者の学問に対する思いが溢れすぎていて、学部生には重すぎるという印象を抱いていた。この手のものを、学問論をふりかざすことなく、熱情を抑制して書くことができるというのは、すぐれた才能であると思う。