料理と家庭薬のレシピ・ブック



世界の有力な図書館では電子化の作業が進んでおり、ロンドンのウェルカム図書館も、しばらく前からコレクションの電子化に取り組んでいる。活字の書籍だけでなく、手稿類の電子化も進んでいる。その中には、ペルシャの美しい占星術の書物など、美しさを基準にして選ばれたものもあるが、いまのところ、もっともサブスタンシャルな電子化は、いわゆる「レシピ・ブック」の電子化である。レシピ・ブックは、女性を中心として、それぞれの家庭で作られ、数代にわたって使われたこともある、料理と家庭薬の作り方を記録した手書きのノートである。これは、出版文化の形成にともなって発展した手書き文化の一部であり、出版が手書き文化をむしろ助長したと考えられる一つの根拠になっている。合計で70点あまりのノートがみやすく電子化されている。

こういう資料を使って、読みすすめながら考察を深めていく、集中的な大学院の演習を行うことができた、一昔前が懐かしい。 というか、大学院の演習とは別の枠組みでやってみようかな。 


画像は、ペルシャの占星術書から。