米軍プエルト・リコ兵士の精神障碍

Kepecs, Joseph C., “Psychiatric Disorders in Puerto Rican Troops”, War Medicine, 8(1945), 244-249.

アメリカ軍の組織や配置のことが良く分からないが、それは後で調べることにして、「運河地域」のプエルト・リコ人の兵士の精神障碍について。プエルト・リコ人の神経症の患者を観察した結果と、平常時の民族としての性格を重ねあわせた視点であり、多民族からなる軍隊における精神医学的観察が人種精神医学の格好の観察場であったことが分かる。結論は、プエルト・リコ人は、経済・社会的に問題が山積している島嶼地域の出身で、そこには島国ゆえの孤立性もあって、強固な自我が育たないまま感情が未熟である人々が多い。そのため、感情の表出は素早く鮮明で、何か苦しみを黙って耐えるべきだという考えによって制限されていない。彼らの反応は大げさでヒステリー性である。もともと、軍隊に参加することの意味が分かっていない。最大の病気カテゴリーはヒステリーで、そのなかでパニック性発作(nervous attack)が目立った症状である。これらは、レトリカルな怒りであって、目標を達成するための暴力の顕示である。霊が関与しているという観念も多いし、100人のうち5人は夢遊病症状を示した。サイコパスも存在した。