ニュルンベルクのナチスの医師たちの裁判

Pross, Christian, “Nazi Doctors, German Medicine, and Historical Truth”, in George J. Annas, Michael A. Grodin eds., The Nazi Doctors and the Nuremberg Code: Human Rights in Human Experimentation (Oxford: Oxford University Press, 1992), 32-52. ナチス期の強制収容所などにおける人体実験が、ニュルンベルクの「医師たちの裁判」で裁かれた23名の医師たちだけでなく、より広範な医師たちによって直接間接に参加されたものであることを論じた論文。この23名の医師たちは、ナチス政権下のエリート医師たちであり、ヒトラーの侍医であったカール・ブラントや、軍やSSで上位の階層にいた医師たちであった。ナチス政権下のドイツは、より広い範囲の医師たちが、実験に参加するものであったこと。 ニュルンベルクの医師たちの裁判を傍聴して記録を執筆したアレグザンダー・ミッチャリッヒは、「医師が新しい発見をすることが、独裁政権のイデオロギーと合致したときに、医師たちは一線を越えて殺人者となり拷問者となる。また、人が個人性・人格性を失って、一つの症例となり刺青で番号が記された物体になるとき、そこに二重の<facelessness>が発生する」というような意味の言葉を書いている。