「症例誌」という用語について

「症例誌」という用語について質問がありましたので、簡単に説明します。

 

「症例誌」という用語は、私が作ったものです。入院した患者の記録は、「病床日誌」・「看護日誌」・「体温表」の三種類の資料を一冊に綴じあわせて保管するのが一般的でした。複数回入院した患者は、それぞれの資料に二回目以降の記録を付け足したあとで、退院の後にまた綴じあわせて一冊としていました。このような患者個人を単位にして、三種類の文書をまとめて作られた一冊の文書を呼ぶ用語として「症例誌」という言葉を作りました。英語の case history をもとにして、記録と文書の残り方を反映してつくった言葉です。最初は耳慣れないかもしれませんし、他の精神病院では別の記録のまとめ方・残し方をしているかもしれないのですが、この研究では「症例誌」という用語を使います。

 

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