服部伸編『「マニュアル」の社会史』(2014)

服部伸編『「マニュアル」の社会史』(京都:人文書院、2014)を頂いた。ドイツのホメオパシーと家事、近世日本の天然痘、近代日本の歯磨きと隣組、20世紀アメリカにおける優生学と女性などの主題について、「マニュアル」という主題を扱った論文を集めたもの。服部のイントロダクションがつけられている。身体と生活と規律という大きな枠組みで何かを考えるときに、多くのインスピレーションが与えられるだろう。どうもありがとうございました。目次を付しておきます。

 

序論――身体と環境をめぐるマニュアルの社会史 * 服部伸
帝政期ドイツの民間人向けホメオパシー治療マニュアル * 服部伸
ドイツのホメオパシー患者向け雑誌にみるジェンダー化した健康相談(1880-2000) * マルティン・ディンゲス(服部いつみ訳)
医説のアリーナ――天然痘対策マニュアルに見る近世日本の医療の言説 * 香西豊子
幸福なる理想の洗面台――大正から昭和初期の学校歯磨教練マニュアル * 宝月理恵
エネルギーと住まいの環境史――ヴァイマル期ドイツの家事マニュアル * 藤原辰史
垣根越しの「聖戦」――隣組マニュアルの世界 * 佐々木啓
より良き市民になるために―――20世紀初頭アメリカ合衆国における優生学と女性 * 小野直子