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『オペラ入門』

趣味はバードウォッチングと庭いじりと音楽で、音楽は聴くほうはクラシックとジャズ、演奏するほうはピアノをもう一度習いたいと思っている。クラシック音楽でよく聞くのは、ピアノとオペラで、特にオペラは、この25年くらいオペラハウスにいって聴いている。オペラのファンといってもいい。ただ、それについて他人様に話したり、あるいはものを書いたことはない。(もちろん依頼されたこともないですが 笑)大学の教員には音楽の通として評論などで活躍されている方が多く、私の同僚や、あるいは大学時代に教わった先生には、学者として有名であると同時に音楽評論家としても有名な方々が沢山いて、多才な活躍が眩しく感じられる。

 

しかし、私自身が音楽評論家になりたいのか、あるいはそうなるための勉強をしたいかというと、それははっきりと違う。私は、学問以外のことについては、勉強しないように努力してきた。たぶん、公的な活動と私的な領域とを分けようとしてきたのだと思う。学問が私的な信念や感情で曲げられることに慎重であるのと同じように、音楽を楽しむ行為に学問の雰囲気を持ち込みたくないという立場をとっている。むしろ、つかの間の時間だけれども、私を学問から解放してくれという思いで聴いているオペラである。そこに学問や学者風の話が入ってこないようにしている。あえて下品な喩えを使うと、あなたの恋愛やセックスを学問化することに対して、多くの皆さんが感じる抵抗感を持っている。

 

そういうこともあって、堀内修『オペラ入門』(2009)という文庫本が気に入っている。書かれていることの半分は、少しオペラを聴いてきた人ならだいたい知っていることだから、新しい知識を得る本ではない。読んでほっとするのは、著者の立場である。こういった書物を書く人は、「一人でも多くの人にオペラを好きになってほしい」というようなことを目標に掲げるが、この本はそうではなく、著者自身の白状によれば、そう思って書いたことは一度もないとのことである。それを、悪びれもせずに認めているところがいい。

 

 

 

 

しばらく前に出た本で