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解剖医ハンターの数奇な生涯

ウェンディ・ムーア『解剖医ハンターの数奇な生涯』矢野真千子訳(東京:河出書房、2013)

 

医学史研究の学術的な進展が、どのように一般人に反映されるかということについての興味深い事例である。どのようにして、学術研究を踏まえ、複雑な倫理的社会的な要素も組み込み、そして読んで楽しい伝記を書くかということについて、学者も読んでおくべきではないかと思う。メモを羅列。

 

 

ハンターはおそらく自分のペニスに淋病を感染させて、性病についての研究を進めたこと。

外科においても軍医においても自然治癒力を重視して、外傷の治療について、外科医の介入をできるだけ少なくする方針であったこと。下剤や瀉血の利用には慎重であった。

ティソが書いたマスターベイション論の反論。マスターベイションは誰でもしているのに、インポテンツはごく少ないではないか。

砂糖の消費が拡大していた時代にむし歯が広まる。歯を今の言葉でいうと臓器移植しようとして、貧民や貧しい子供を集めて少額のお金を与えて彼らの歯を抜いて、富裕な人々に移植しようとした。

ロンドンの外来動物、死体などを買って標本にした。電気うなぎがきた。キリンの骨格標本を置く場所がなくて玄関においた。チャールズ・バーン(「アイルランドの巨人」)の骨格を狙っており、バーンはハンターに入手されるのを恐れていた。最後には葬儀屋を買収してバーンの死体を手に入れた。

死体入手は非合法であり、主として墓泥棒であった。

検死が広まったが、これは家族間の愛情の産物でもあった。

患者としてはヒュームとスミスが有名。

死体を再生させて制をよみがえらせようとして、刑場から絞首刑になった死体を運んだが、はやり失敗した。