ワークショップ:症例誌を読む

3月12日・13日の両日にわたって、慶應大学の日吉キャンパスで、「ワークショップ:症例誌を読む」を開催します。

医療の診療の際に記入される症例誌 (case record) は、近年に欧米で発展した医学史が新しい問いや視点を導入する際のコアな史料でした。このタイプの史料は、日本の医学史の研究者の間ではまだあまり使われていませんが、この数年で先進的な若手研究者たちが用い始めています。さまざまな可能性を持つ、深さと広がりの双方を持つ史料です。

このワークショップでは、昭和戦前期の東京の精神病院であった王子脳病院の症例誌を用いて、どのように読むかというワークショップを行います。参加者は、実際に症例誌を読み、個々の患者の入院と疾病の経験を分析し、どんな新しい視点を作り上げることができるかを考えることができます。

今年は、長期入院した患者を取り上げたいと思います。この時期の精神病院においては比較的まれであった、数年にわたって在院することはどのような経験だったのかを再構成しようという試みです。

参加を希望される方は、このサイトか、FB, Twitter, メールなどを通じて、私にご一報ください。皆様のご参加をお待ちしております。