アートフェア東京2015

はじめてアートフェア東京に行った。会場は東京国際フォーラムで、広大なフロアに100を超える画廊やギャラリーがブースを出展している。初めて名前を聞いたり作品を観たりするアーチストの展示が多かったが、雑誌で読んだことがある作家や、作品を観たことがある作家たち、たとえば山本タカト、野口哲哉、諏訪敦などのアーチストの展示もあり、どちらもとても楽しかった。初めて知ったアーチストでは、台湾の林書階さんの作品が、台湾の人形劇を素材にしたとても面白い作品だった。台湾や中国には人形劇という娯楽があるというが、その人形劇のビデオを、民族色を感じさせる極彩色の神々などが描かれた大きな箱の中に入れて見せるという仕掛けだった。中国の人形劇の趣向は、だいぶ前に新国立劇場で見たオペラ『トゥーランドット』でも用いられていて、これは私がこれまで観た『トゥーランドット』の中では最高のものだったので、台湾の人形劇の作品にも強く惹かれた。あとは、いちいちあげることができないほど、興味深い作品が多かった。

 

これは、作家やアート作品の好き嫌いの問題ではなく、ひしひしと感じたことなのだが、春画の伝統もあり、性的な表現について許容の度合いが高い日本だから、会場のさまざまなブースで、エロスの表現はまさにたけなわである。それは別にかまわない。ただ、露骨に富裕者のためのエロスと感じられたものもあった。笹本正明というアーチストで、もう一度見直したら、作品を雑誌か何かで見たこともあり、他の作品に対してはそう感じたことはなかったのだが、昨日観た作品は、ちょっと腰が引けるものだった。6枚張りの金屏風に、ストッキングをはいた美女が贅沢そうな和風のガウンを開いて半裸体を見せてこちらを直視しているという構成である。もちろん強烈にエロティックな作品であるが、金持ちのためのエロスという雰囲気があまりに露骨だった。ちょうど、飯山さんの展示で、70歳くらいのホームレスのおじいさんが、AVのDVDを並べながら「この子はさせ子ちゃん」とか言って嬉しそうにしているビデオを観たあとだけに、エロスの格差があまりに強烈に感じられた。

 

 笹山正明のその作品は、以下のページで見ることができます。カーソルを載せると画像が変わります。

http://www.chiyoharu.com/25sasa.html