昭和戦前期の精神病院の症例誌の処方を読む練習。次第に分かるようになってきましたが、一つ、頻繁に登場するのに分からない略号があります。それが P.S. 3.0 か2.0 与えられることが多く、本当によく出てくる略号です。私はこれが、「パンスコ」と略される薬かと思ったのですが、これは「賦形剤」と呼ばれる、薬品をのばす添加剤ではないかという示唆を医師・薬剤師の先生たちから頂きました。私のような人文系の出身の人間が、字引を引きながら進むのとは較べものにならない洞察を頂きました。医学史は、人文社会系と医療系にまたがった学問ですから、このような機会に感謝すると同時に、そのような仕組みを広げたいと思っています。
それはそれとして、賦形剤だとすると、上の処方はどう読みますか?
1) P.S. 2.0 3x
2) Barbital 0.5 1x
2) Sulfonal 0.6 1x
Na. Bicarb. 0.5.
薬品名や商品名はわかりますので、略します。これは、P.S. 2.0 を3回に分けて与えよ、そしてバルビタール 0.5 を1回与えよという意味になるというのが私の理解です。ここで間違っていたら教えてください。そういう指示が成立するときに、P.S. を賦活剤であると捉えられますか?
いや、楽しくなってきましたね(笑) ありがとうございます。処方を読むのは、実際に読み解く過程も、そこから引き出される結論も面白くなるだろうとは思っていましたが、まさかこんなに早く楽しくなるとは思っていませんでした。医療者の皆さま、素人に辛抱強くつきあってくださり、ありがとうございます。