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オペラ『椿姫』 新国立劇場

新国立劇場でオペラ『椿姫』を観る。新制作ということで、舞台と衣装と演出が非常に凝った斬新な企画になっていて、驚いたり感心したり心配したり首をひねったりしたが、なによりも大切な要素である歌が格段に素晴らしく、魔力の域に達していたと思う。ソプラノはベルナルダ・ボベルというスロベニア出身の歌手で、数年前にはロンドンのコヴェント・ガーデンでも『椿姫』を歌ったとのこと。歌は一幕から三幕までどれも素晴らしく、歌が旨い歌手は演技力というか求心力もあるもので、彼女のアリアやアンサンブルは、観客の意識が彼女の歌に集中されるような魔法のようなものを聴衆にかけることができていた。私は全幕を通して彼女が歌う部分はほぼ泣き通しに泣いていた。バリトンのアリアの「プロヴァンスの海」も好きなのだけれども、そこは魔法が切れた感じがした。(バリトンももちろん素晴らしかったけれども、それは「魔力」とは違った概念である)

 

 

 

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