ベル・エポックの動物病院

週末なので少しのんびりした記事を書く。

 

カレンダーのイラストが、犬と猫が女性に愛らしく甘えているアール・ヌボーの作品だった。サインを見ると、スイス生まれでフランスで活躍した画家のテオフィーユ=アレサンドル・スタンラン Theophile-Alexandre Steinlen (1859-1923)の作品である。スタンランの作品の中では、パリのシャ・ノワールのポスターが著名だが、この作品もとても人気があるようである。

 

ふと気がついてよく見たら、このポスターは、そのまま読むと動物病院の広告である。パリのオペラ座近くのムーラン街8番地に。Clinique Chéron なる動物病院があり、その動物病院の広告である。Sanatorium, pension と書いてあるから、外来だけでなく、入院と長期滞在も可能であるということだろう。問題は、この作品が作られた1905年に動物病院というものがパリに実在していたのか、そして、このような愛くるしいイメージで広告されていたのかということである。困ったことに、私は動物病院や獣医学について何も知らなくて、手持ちの資料では、実験動物の歴史だとか、人獣共通感染症についてはたくさんの記述があるが、このような動物病院については記述がない。少し調べたら、2000年以降くらいに新しい研究も現れている。少し見てみよう。

 

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スタンランの作品の多くは以下のサイトにまとめられています。

Theophile-Alexandre Steinlen (1859-1923)