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オオスズメバチ(女王蜂)捕獲作戦の談

無駄話です。

 

一週間ほど前から、家の庭のバラの花にスズメバチが来るようになった。私の親指くらいはある大きさ、羽音の堂々とした威厳、オレンジと黒の鮮烈なストライプ、調べてみると、オオスズメバチに間違いない。そして、この時期に一匹で活動しているのは、これから巣をつくって無数の働き蜂のオオスズメバチを産む女王蜂であるとのこと。映画『エイリアン』の第二話に登場する女王のようなものである。つまり、この攻撃的で有毒で凶暴で獰猛で、そしてそれはそれは美しい生き物と、闘わなくてはならない状況になった。

私はスプレーガンの殺虫剤で打ち倒すことを提案したが、実佳はペットボトルで罠を作ることを主張した。砂糖と日本酒となんとかとなんとかを混ぜた甘い香りの液を底に入れて、ペットボトルの罠を作ってそこに匂いで誘い込み、入ると出られなくなる仕組みである。「あの邪悪で美しい生き物を罠にかけるのか」という割り切れなさはあったが、まあ、仕方がない。

罠を仕掛けて二日目。まさにその女王蜂のオオスズメバチが捕獲され、罠の中で液に溺れて死んでいた。死骸も巨大で獰猛さがまったく消えていなかった。罠で捉えたのは、何か彼女に失礼なことをしたと今でも思っている。『狼王ロボ』のビアンカとロボの捉え方と同じような割り切れなさである。けれども、彼女と、彼女がこれから産む働き蜂のオオスズメバチとひと夏を共存することもできないのだから、きっとこれでよかった。