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性器の病 避妊と中絶 中世イスラム医学

Ibn, a.-J. r. and G. Bos (1997). Ibn al-Jazza\0304r on sexual diseases and their treatment. London, Kegan Paul.
 
イブン・アル・ジャザールの書物から、性に関する第6巻の合計20の章が訳されている。書物全体のタイトルは『旅行者へのしつらえと定住者の栄養』とでも訳せるけれども、実はこのタイトルは内容を反映しておらず、頭部から足部までの体の各部分の疾病を論じていったもの。旅行者、特にメッカへの巡礼者の養生を取り上げたのは別の書物で、クスタ・イブン・ルーカーのもの。アル・ジャザールの書物のこの巻では性に関するさまざまな問題を扱った章が訳されている。ヘリット・ボス先生の緻密な文献校訂に基づいた本で、ガレノスの著作のどの個所から引いたことがわかる証拠が示され、アラビア語の原文と英語訳の双方が付されている。
 
第17章は避妊と中絶に適した薬を説明した部分。キリスト教は避妊も中絶も否定したが、古典古代の医学から両者の方法が知られて、中世と近世の社会ではその方法が知られていた。一方、イスラム教では、両者は禁じられていなかったので、古典古代の著作、主としてディオスコリデスから数多くの薬をさまざまな仕方で用いる手段が列挙されている。それによって、種子(男性の種子も女性の種子も)を損ない、胎児 (foetus) を外に出すことができる。性交時にペニスの先端に塗るもの、妊娠している女性が膣から入れるもの、飲み薬の形をとるもの、燻蒸して膣から入れるものなど。花の咲いたキャベツの葉♪(「ピーターラビットと私」)を挽いて挿入すると種子が固まるのを防いで避妊できるなど。ミントを膣から入れてもいいし、ペニスの先に塗っても同じ効果があるし、胎児を殺すこともできる。