がんの放射線治療のラジウムの国際的な分配について

Oxford DNB: Lives of the week

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Oxford DNB の今日の人物はヘレン・チェインバーズ (Helen Chambers, 1879-1935) 20世紀初頭のイギリスの優れた医師で、放射線治療とがんの研究で優れた業績を挙げた。インドで官僚をしていた人物の娘として生まれ、ケンブリッジで化学と物理を、ロンドンの女性医学校で医学を学び、産婦人科学、病理学を学ぶ。第一次大戦期には、イギリス国内で軍関連の医学にたずさわり、女性からなる医療のチームで活躍した。戦後はがんの研究に進み、ロンドン郊外のハムステッドに設立されたマリ・キュリー病院でがん、特に子宮頸がんの研究に集中する。当時、世界で最も好成績を上げた新しい療法にたずさわり、癌研究に免疫学や有効な放射線治療などを活用したという。
放射線治療の生命線はラジウムが握っており、この希少な物質をどのような確保するかが、当時の先端医療にとって大きな意味を持っていた。イギリスはその帝国を利用して、ラジウムを確保して国内の優れた医療研究機関に分配する仕事をしていたらしい。チェインバーズの組織は、ラジウムを受けて、それを使うことができる組織だったとのこと。