鶏姦試験(笑)

武田長兵衛商店が医学・健康系一般雑誌に出した広告。雑誌は昭和12年の雑誌『優生』で、不二出版から復刻されている。広告されているのは男性ホルモンの「エナルモン」である。勃起力減退や早漏などに効くとのこと。優生学の一般的なイメージにふさわしくないが、優生学というのは多様性が非常に大きな考え方であるから、そこで薬が広告されていてもよい。多くの学者がそうだと思うが、「鶏冠」をちょっと読み違えて「鶏姦」となってしまい、あせっただけです。

「鶏冠」はもともと「とさか」の意味で、鶏冠とは英語で caponで、オスだが睾丸を持たないようにしたニワトリである。きちんと調べていないが、自身の睾丸を持たないので、実験的に与えられた性ホルモンの影響を調べるのに好適なので、20世紀に入って医学生物学でも用いられるようになった。もともと食用として古代から使われていたとのこと。「鶏姦」は男性同性愛の意味。「鶏の一穴」(とりのいっけつ)という言葉があり、鶏は糞と尿が同じ場所から出るから、穴が一つしかないことに、肛門の一つの穴しかない男性との肛門性交をかけた言葉であろうとのこと。

 

f:id:akihitosuzuki:20171019092459j:plain