1518年夏のストラスブールの心因性舞踏

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オウム真理教の教祖である麻原彰晃が死刑となった。オウム真理教が大事件を起こしていた時期は、私がイギリスに留学していた時期であるため、私がオウムや麻原について知っていることはとても少ない。TVで観た信者が痙攣するように踊っている光景が妙に記憶に残っている。ガーディアンに掲載された1518年のストラスブールで起きた舞踏病の記事を読みながら、オウム真理教徒たちの踊りはその現象だろうかと漠然と思う。
 
ストラスブール心因性舞踏は話としてはシンプルである。1518年にストラスブールで起きたことは、当初は数人が通りで痙攣的な舞踏をしており、家族や周りの人々が止めても止まらず、そのうちこの舞踏を行う市民が増えて数百人となるという現象である。医師のパラケルススもこれについて著述し、『阿呆船』を書いたセバスティアン・ブラントもこの現象を観ているらしい。これが疾病としては何かという難しい問いを立てて、かつては「マス・ヒステリア」と呼ばれていたもの、現在では 群衆の心因性 (psychogenic) と呼ばれている現象であろうと筆者は書いている。このあたりの説明が、読んでいてよくわからなかったので、彼が書いている本を買ってみた。マス・ヒステリアや社会的な心因性というような、非常に目に入りやすい精神疾患についても知っておかないといけない。