ビリー・ホリデイ、アガサ・クリスティー、マンテーニャの御包み

 
昨日の夕刻はLRBをゆっくり読んだ。クリスマスの時期だからなのか、のんびりした記事が多いのかもしれない。
 
ビリー・ホリデイアメリカのジャズ歌手で、本名はエリアノーラ・フィガン。彼女が晩年に書いた自伝 Lady Sings the Blues の書評である。彼女は父親に教えられたことや、青春時代の歌手の一人である。ただ、彼女は私が生まれるしばらく前になくなっているので、本当の青春時代の歌手ではなく、青春時代にリヴァイヴした歌手である。無知が本当に恥ずかしいところだが、彼女が死ぬまで15年くらいアルコールや薬物の中毒になり、当時は犯罪であったので刑務所に入っては釈放されることを繰り返していたことを知った。麻薬代の50ドルの請求書が10枚を超え、一方銀行には70セントしかなかったという。
 
アガサ・クリスティーについての評論も面白かった。彼女は私にとって青春時代の作家であるし、これも恥ずかしい話だが、今でも無意味に読む時間が多い。ううむ。それよりも面白いのは、きっと何度も議論になっていると思うが、彼女の作品が探偵小説として水準が低いことである。議論が激しくなることは避けたいけれども、私はエラリー・クイーンの作品、ことに Yの悲劇が素晴らしい作品だと思う。一番大事なことは、クイーンの作品を何度も読み返していないことである。世界でもそういう方が多い。高く評価しないが、読むのはアガサ・クリスティーというパタンである。他にもいい作家がたくさんいると言いながら、これまで英語だけで10億冊売り上げたとか。これを称して「彼女は女王である」と表現しているのかもしれない。日本の天皇制に触れることが多く、色々と考えている。
 
もう一つがナショナル・ギャラリーでしているベリーニとマンテーニャの作品。この時期の画家は解剖学と関連するので、比較的よく観ている。今回はマンテーニャらの時代が子供に着せていた「御包み」があった。
 

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マンテーニャによる新生児のキリスト