19世紀末から20世紀末の120年間にわたる集団ヒステリーの問題

Leslie P. Boss; Epidemic Hysteria: A Review of the Published Literature, Epidemiologic Reviews, Volume 19, Issue 2, 1 January 1997, Pages 233–243,

 

 https://doi.org/10.1093/oxfordjournals.epirev.a017955

 

Epidemic hysteria という言葉をどう訳したらいいのか分からないが、マス・ヒステリア、集団心因性精神疾患、集団社会性精神疾患などと呼ばれている。感情の系列でいうと下腹部の痛み、頭痛、めまい、嘔吐感などがあり、運動系でいうと、舞踏、痙攣、笑いなどが挙げられる。これは1374年にさかのぼることができて、水の汚染からはじまり、幻想性麻酔(調べ直しておくこと!)、火星人による征服などが重要な軸になっている。

 

この心因性の疾病に関して、1970年代の化学性毒物、環境問題、日本の公害などが大きな注目を集め、心因性疾患を起こすと考えられていた時期には、さまざまな研究が行われていた。その一つが1974年にシロワが書いた論文で、1872年から1972年までの100年間において探すことができる集団性ヒステリアの事例を78件収集している。それに継続する形で、1972年から1993年と20年間を見ると、シロワが研究したフェイズ1と継続するフェイズ2を比較することができる。それが、そのまま長い20世紀の集団ヒステリーの歴史となる。

 

起きる場所の問題、ジェンダーの問題、放射能やスモグや公害の問題、疾病集団の規模の問題など、多様な視点から20世紀を眺めることができます。 

 

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学校と職場:1870年代から1990年代までの集団ヒステリーが発生する<場所>