呉秀三の精神療法

呉, 秀三. 精神療法. 吐鳳堂書店, 1916. 日本内科全書, 青山胤通.
 
呉秀三は重要な精神医学の開拓者である。岡田先生、金川先生、橋本先生などの多くの学者が優れた研究をしている。これまであまり着目されていないのが、呉の精神療法についての書物『精神療法』である。私もこれまで読んだことがなかったが、読んでみるととても面白い。以下のような構成である。特に面白い部分は、いったいどの領域で、日本の文化とドイツ・フランスの精神医学が融合するかという問題である。1916年の日本はもちろん、それよりもかなり前の日本も強い文化を持っていたこともあり、両者が共存した部分もある。一方、ドイツでも共存しなかった領域もある。
 
  1. 緒論
  2. 個人的精神療法
  3. 環境療法
  4. 安静療法
  5. 移導療法
    1. 遺散療法
  6. 教誨療法
    1. 智育
    2. 宗教 
  7. 説得療法
  8. 推感療法(暗示療法)
    1. 覚醒時
    2. 催眠術
    3. 睡眠時・夢
  9. 精神練習法
  10. 感動療法
  11. 奇蹟的療法・信仰療法・祈祷療法