アヘン様合成麻酔薬の問題

www.oecd.org

 

オピオイドの問題がエコノミストエスプレッソが記事にしていたので、読んでメモ。
 
オピオイド opioid がアメリカ、カナダ、ドイツなどで大きな問題として現れつつある。オピオイドは、 アヘンを意味するオピアム opium からの派生である。訳語は「アヘン様合成麻酔薬」「モルヒネ様物質」である。アヘンやモルヒネのようなものを合成化学で作ったものである。自然の世界には、アヘンやモルヒネのような植物や化学物質があり、それに似ているものを、人工的・合成的に作ったものである。アヘンやモルヒネには一定の薬の効果もあって現実に使われているように、オピオイドにも薬の効果があり、医師たちはこれを処方する。しかし、アヘンやモルヒネが持つ中毒性や過量服用もオピオイドには存在していて、そこが大きな問題である。
 
OECDによると、これはアメリカ、カナダ、ドイツ、デンマークなどの現象である。100万人につき、4万7千件ほどのオピオイドの処方があるというから、人口の5パーセントということになる。日本は100万人につき1200件というから、何の問題もない。これは、医師による処方が多いという合法的なパターンと、中毒性と過量服用のため処方されていないのに入手する非合法なパターンがある。刑務所でもかなりの利用がされているらしい。死者でいうと、アメリカだと75,000人が死亡している。日本の交通事故による死亡者の20倍である。うううむ。
 
アメリカで多いことは何となくわかる。日本が非常に少ないのが、よく分からない。私自身の個人的な経験では、イギリスの歯科病院で痛みに耐える能力を絶賛されるというよく分からない現象を経験したことがある。日本人は痛みに強く、アヘン系を使うことをためらいがちなのかもしれない。
 

f:id:akihitosuzuki:20190516125835j:plain

オピオイドによる死亡率。2011年と2016年の比較。日本は意味ないほど小さいから載っていません(笑)