シチリアのミイラ状の遺体保存

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BBCのReel の特集。シチリア島で1900年少し後まで継続したミイラ状の遺体保存について。全体で20分ほどの映像が提供される。エジプトを除くと、世界中で最もミイラ状に遺体を保存するケースが多いとのこと。おそらく1500年くらいに始まり、それから数世紀間継続して、第一次世界大戦後に人々は忘れてしまったとのこと。それを2007年に思い出して、それを研究する体制を作ったとのこと。

なぜそのように保存されたかという問題だが、シチリアの気候の問題もあり、エジプトと近いという事情もあり、ミイラ状に保存する高い技術もあった。特別な技術と特別な施設を使うため、身分が高い人々や富裕な人々がそのような保存を受けている。生命倫理学に従えば映像化できなかった図像で継続される。

シチリアの自然人類学の中で強く取り上げられている主題であり、これを世界に広めようという動きもある。夏の学校という形で、世界中から学者や学生が集まって、この素材を実際に用いて研究することができる。疾病や食料などが大きな主題になる。日本からも研究者が行くといいだろう。ただ、日本には墓場にある人骨という非常に難しい主題があり、それを分析できる日が来るかどうかは分からない。医学史の学者としてはもちろん非常な興味があるが、このタイプの研究の構成がよく分からないという事情もある。