南米の幻覚性植物とシャーマニズム

永武先生の南米のシャーマンと幻覚性植物の写真集を少しゆっくりと見た。ジャングルや高地の密林などの植物がシャーマンによって用いられている。これはアメリカ大陸古来のもので、おそらくその大部分は、石器時代のシベリアのシャーマニズムから引き継いだものである。シャーマンは日常に経験する世界と、精霊たちの聖なる世界との結び手である。自分の共同体のために、意識の変性状態に入り、スピリチュアルな次元と交信する。

この精霊世界と交信するための重要な手段が、ユーラシアでは伝統的には聖なる太鼓だったが、アメリカ大陸では向精神性植物であった。タバコを筆頭として、コカ、アサガオ、ダツラ、ペヨーテ、シロシピン、サボテンの一種であるサンペドロなどが用いられている。サンペドロはメスカリンを含んでる。アマゾン地方にはいると、さらに多種多様な向精神性植物が使われている。もっとも有名なものはアヤワスカである。密林の蔓を想像するといい。それにいくつかの植物を混ぜてつくる。