夢について

西郷信綱. 古代人と夢. vol. 13, 平凡社, 1999. 平凡社選書.

河東仁. 日本の夢信仰 : 宗教学から見た日本精神史. 玉川大学出版部, 2002.

劉文英 and 邦弘 湯浅. 中国の夢判断. 東方書店, 1997.

 

夢について、これまでの研究の短いパラグラフを書くために古典的な著作を読んでおいた。西郷信綱『古代人の夢』、河東仁『日本の夢信仰』、劉文英『中国の夢判断』である。西郷や劉は傑作として名高く、河東は私は初めて知り、とても謙虚な書き方をされるが、素晴らしい傑作だと思う。古代・中世・近世の夢や中国の夢には、もともとあまり踏み込まないが、どれもとても説得力がある。王権を継ぐべきものが夢見で決定されるとか、仏教は集団だけでなく個人の魂にあてはまったとか、夢は個人の神話であるというような議論は、私が議論をする1930年代の東京でタクシー運転手をしている地方出身の男性が書いた夢の記録にあてはまる部分もある。

もうひとつ、スウェーデンボルクの夢の記録を久しぶりに読んでみた。科学者から宗教家に移行する時期で、1740年代に1年ほど記されている。スウェーデン語で、19世紀に発見されて、各国語に訳された。性的な主題のことが書かれている項目がいくつかあるが、19世紀にはイギリス人がこれらをラテン語に翻訳している。Kindle だと現代英語訳と解説が300円ほどで買えます。