慶應出版会より生命の教養学『感染る』(うつる)が刊行されました!

慶應出版会より生命の教養学・第14回の『感染る』が刊行されました。編者は赤江雄一先生と高橋宣也先生。

感染症は地球上から消滅するはずでした。1980年には「我々は感染症の医学教科書を閉じなければならない」と言われています。それが、HIV/AIDS の大被害や、エボラ出血熱が広がる気配を示していることなど、まったく違う状況を取りました。そのような状況で『感染る』という論集を組むのは非常に重要なアイデアですし、多くの書き手が優れた文章を書いています。以下のサイトをご覧ください。

 

www.keio-up.co.jp

 

私は「保菌者」の概念と実践を取り上げました。HIV/AIDSの初期の問題は、まだその症状が現れていないため、感染源である人物がそ自分がウィルスを持っていることさえ知らないまま性病予防をせずに感染が放置されたという状況です。この人物は「患者」というよりも「保菌者」と呼ぶことがふさわしいです。アメリカ合衆国では、20世紀初頭と20世紀末にかんして、それぞれ腸チフスHIV/AIDS の保菌者が問題になっています。それを念頭において、日本の20世紀初頭の腸チフスなどと20世紀末の HIV/AIDSを見たものです。両者の対比はかなり大きなものがあります。読まれたい方は、ご一報くだされば、私の論文をお送りします。