屏風とコラージュの合体について

Prospect がスコットランド国立博物館で開催されているコラージュ展の評論をしている。話はピカソが描いた『食卓の上のボトルとグラス』を取り上げて、素晴らしいまとめをしている。空間と時間の中で成立する現実の世界と、絵画と彫刻が作り出す創造の世界、この二つの世界がどのような関係にあるかという問いかけということである。私の仕事では、絵画と彫刻の部分を「言語」と入れて症例誌を読んでいるので、ここで深い印象を持った。

あとはヨーロッパでは中世以来の伝統、19世紀の伝統、そしてピカソを含めた20世紀の革新などを論じている。

また、12世紀にはじまる日本の屏風のことにも触れている。19世紀の後半には著名なシェイクスピア役者が小説家のチャールズ・ディケンズとよく時間を過ごし、その中でイラストや写真などを用いて日本の屏風風のものを作っていることにも触れている。この話に関しては細かい部分が分からないが、そこで屏風が出てくることは驚きだった。なるほど、コラージュと屏風の一体化なのか。

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19世紀の屏風とコラージュによるシェイクスピア役者の活躍の記録。