キャドベリーのチョコレートとバラ

少し前のエコノミストエスプレッソの最後の「今日の明言」は George Cadbury のバラについての一言で、その主題はバラである。"No man ought to be condemned to live in a place where a rose cannot grow.” 
 
実はしばらくよく分からなかったが、おそらく19世紀から20世紀にかけて急成長したキャドベリーのチョコレート生産の背景にある、クエイカーの資本家が労働者たちによりよい生活を考えていくという方向だろう。だから、甘美なチョコレートと貴族趣味のバラが退廃した形で存在しているのではなく、宗教に背景を持つチョコレート会社が、その労働者に庭にバラが育つような生活を志向させたような文化である。「バラが育つような空間に住むことができない人が、一人もいないようにするべきなのです」とでも訳せばいいのだろうか。そう考えてキャドベリーのチョコレートを見ると、たしかにそのようなメッセージがあるような気がする。