娼妓・芸妓、私娼・カフェーの女給

草間, 八十雄 and 憲彦 安岡. 女給と売笑婦. vol. 続編第9巻, 日本図書センター, 1982. 近代婦人問題名著選集.
 
娼妓、芸妓(げいぎ)、私娼、カフェーの女給など、東京では多くの売春組織、あるいは売春と結びついている産業があった。それぞれの組織やメカニズムの動きに関しては難しすぎるのでよく分からない部分が多い。このような空間で仕事をしている女性たちの数を特定することも非常に難しいが、念のため。娼妓でいうと日本全国で1925年前後に約50,000 人、一位は大阪で8,000人、二位は東京で6,000人弱、三位は京都で4,000人である。芸妓は全国で80,000人、一位は東京で10,000人、二位は愛知で6,400人、三位は大阪で5,800人。私娼風の女性は全国で110,000 人、一位は東京で36,000人である。
 
この女性たちがこの業界に入り、売春を行った大きな理由は家族の貧困であり、父親を中心にした家族の病気に対応する費用を出すためであり、両親が死亡して親族に引き取られ、そこから売春の世界に入れさせられたことである。家族の職業は労働者で無産階級の女性が多い。