NYのアウトサイダー・アートと現代の世界の最大の死因である「セプシス」

 
一つは新しいSFのコメディーであるTVドラマが始まったこと。40年先に設定されたSFによる宇宙旅行でのトラブルという話であること。私は TVドラマに非常に弱く、大河ドラマや朝ドラもほとんど観ない。実佳が熱心に観ているBBC系を一緒に観ようかなと思う。
 
次は NYCでアウトサイダー・アート展が開催されているとのこと。日本からはItsuo Kobayashi (小林一緒)というアーチストが参加しているとのこと。彼は調理師として蕎麦屋給食センターなどで46才まで勤務したとのこと。調理者としてエリートの勝利者の階段を上ってきたわけでは全然ない。中年ではアルコール性神経症となって、歩行も困難となった。そこで何かがうまくいき(笑)、彼が描いた定食系の絵画というかイラストが非常な人気であるとのこと。画像を観ると、本当に素朴な絵で、とても楽しい。私が研究している脳病院の患者があたりまえに描きそうなイラストである。NYCでも人気を出してください!
 
もう一つ、これは本気の部分があるが、世界における死因の話。死因といえば各国別で調べるが、それを全体として扱おうという巨大プロジェクト。エスプレッソからランセットまで行って眺めてみた。1990年から2017年までの死因を調べたものである。その最大の死因は sepsis である(これは日本では「敗血症」と訳されていて、この sepsis と違うような気がするので、セプシスと書きます)そのセプシスが世界の死因の1/5くらいであるとのこと。非常に面白い。細かく分業化している先進国の医者の専門家の構造とは違うような形で死因が起きているような気がする。
 
Rudd, Kristina E. et al. "Global, Regional, and National Sepsis Incidence and Mortality, 1990–2017:  Analysis for the Global Burden of Disease Study." The Lancet, vol. 395, no. 10219, 2020, pp. 200-211,  doi:10.1016/S0140-6736(19)32989-7.