Entries from 2011-01-03 to 1 day

武田泰淳『富士』

古井由吉の濃密な精神病の世界から少し遠ざかるために、武田泰淳『富士』を読み返してみた。戦争末期の富士山麓の精神病院を舞台にした小説。小説自体が書かれたのは1969年から71年で、当時の日本の精神医学が置かれていた革命の夢想の気分が、小説に色濃く…