Entries from 2015-01-01 to 1 month

蜷川ハムレット@さいたま

http://saf.or.jp/arthall/stages/detail/1748 さいたま芸術劇場で、蜷川幸雄演出の『ハムレット』を観る。出演は、ハムレットに藤川哲也、オフィーリアに満島ひかりの他、平幹二郎、鳳蘭、満島真之介(満島ひかりの実弟)など。 もちろん全体としてはとても…

ピエール・ダルモン『癌の歴史』

ピエール・ダルモン『癌の歴史』河原誠三郎・鈴木秀治・田川光照訳(東京:新評論、1997) ガンの歴史について、来年度の講義のために一通りの知識をつけなければならないので、何冊かの一般書を読んでいる。ピエール・ダルモンは、フランスの医学史研究者で…

条件反射を形成したイヌを用いたヒロポンの効果の実験

吉井直三郎・陰山以文・藤堂清「<ヒロポン> (d-β-Phenylisopropylmethylamin)の条件反射に及ぼす影響」『大阪医学会雑誌』vol.42, no.12 (1943), 1962-70. 吉井直三郎・陰山以文・藤堂清「<ヒロポン> (d-β-Phenylisopropylmethylamin)の条件反射に及ぼす…

スモンと日本の難病対策の形成

渡部沙織「『難病』の誕生―『難病』対策と公費負担医療の形成」明治学院大学・社会学研究科大学院、修士論文(2014) いただいた修士論文のメモ。優れた論文だと思う。 日本で「難病」と定義されている一群の疾患の位置づけと患者への対応の仕方は、1970年代…

パヴロフと二つの生理学の方法

ハ・エス・コトヤンツ「イワン・ペトロヴィッチ・パヴロフとその業績の意義」『パヴロフ選集』東大ソ医研訳、上・下巻(東京:合同出版社、1962)、上巻, 9-48ページ. パヴロフの条件反射の実験とそのインパクトについて考えたことをメモ。生理学の内部で二…

梅毒と19・20世紀の天才と有名人たち

Hayden, Deborah, Pox: Genius, Madness and the Mysteries of Syphilis (New York: Basic Books, 2004) 梅毒と芸術的な創造性の歴史についてのしばらく前の話題作。基本的なスタンスは、病跡学 pathography であり、過去の文学、絵画、哲学上の有名人を取り…

パヴロフと精神医学

パヴロフ『パヴロフ選集』東大ソ医研訳、上・下巻(東京:合同出版社、1962) 1949年にパヴロフの誕生100周年を記念してソ連で刊行されたパヴロフ選集の全訳に、パヴロフの思想の発展と将来性についてのソ連の論文を2点翻訳し、日本の大学の生理学教室から刊…

松嶋健『プシコ ナウティカ - イタリア精神医療の人類学』より

松嶋健『プシコ ナウティカ―イタリア精神医療の人類学』(京都:世界思想社、2014) http://amzn.to/1CYfuto 1700字程度の書評をまとめた。イタリアの地域精神保健が持つ現代思想的なポテンシャルを、繊細かつ明晰に探究したアドボカシーの書物だと考えるの…