Entries from 2020-01-01 to 1 year

世界の国家・都市別の covid-19 の死者数のデータ処理

www.economist.com エコノミストからもうひとつ非常に面白いデータ。covid-19 のインパクトを国際比較したという記事である。いくつかの大切なポイントがあり、一番重要なのは、死者数に集中していることである。具体的には、必ず記録される死者数と、その中…

新型ウィルスとエアーコンディショナーについて

https://www.qut.edu.au/news?id=165868 エアーコンディショナーの効果 covid-19 についての原稿を書いていて、自分がこれまであまりよく知らなかった食肉工場を取り上げている。現在の食肉工場が患者のクラスターが大量発生した理由の一つが、冷たい環境を…

英語の訛り

Kramer, Peter D. Moments of Engagement : Intimate Psychotherapy in a Technological Age. 1st ed edition, Norton, 1989. プロザックについての書物が非常に著名であるクラマー先生がもう一冊本を書いていて、そこで ego をアメリカ英語とイギリス英語で…

アイスランドのクジラ博物館、ペニス博物館、そしてナプキン・コレクション

www.atlasobscura.com Atlas Obscula という楽しいサイトがある。世界の妙な観光地や土産物の案内のコレクション。今回の訪問は、新型ウィルスに対抗する日本のキャラの「アマビエ」を確認する仕事だったが、入口でアイスランドの博物館の紹介があった。私は…

ジョン・クレアと迷信と狂気

エコノミスト・エスプレッソには、毎回、メールの最後に「今日の名言」のコーナーがある。毎日読んで、いい名言はセーブすることにしている。今日の名言はJohn Clare (1793-1864) 19世紀イギリスで著明な詩人が残した一言である。 “Superstition lives longe…

医療英会話204

医療英会話キーワード辞典。一日3ページずつ音読。pp.641-643. 「糞線虫症」から「分裂」まで。 糞線虫症strongloidiasis 分担share, divide workshare the housework choresdivide childcare duties 粉乳powdered milk, dried milk 糞尿faeces and urine, u…

医療英会話203

医療英会話キーワード辞典。一日3ページずつ音読。pp.638-640. 「プリン」から「分析」まで。 プリン purine body, purine metabolism 振る Please shake the bottle well before use. Does you child wave bye-bye? 震える shake, tremble, quiver, shiver,…

医療英会話202

医療英会話キーワード辞典。一日3ページずつ音読。pp.635-637. 「腐敗」から「不良」まで。 腐敗 putrefaction, decay 腐敗臭 putrid stench, putrid smell, foul-smelling 部分 part, portion, division, section, site, region a larger part of the body …

医療英会話201

医療英会話キーワード辞典。久しぶりに帰ってきました。と思ったら、実は5月24日にメモした部分でした(涙)とにかく、再び、ここを始めます。一日3ページずつ音読。pp.632-634. 「普段」から「不能」まで。 普段usual, normal, everyday, dailyWhat do you …

医療英会話201

医療英会話キーワード辞典。久しぶりに帰ってきました。と思ったら、実は5月24日にメモした部分でした(涙)とにかく、再び、ここを始めます。一日3ページずつ音読。pp.632-634. 「普段」から「不能」まで。 普段usual, normal, everyday, dailyWhat do you …

医療英会話201

医療英会話キーワード辞典。久しぶりに帰ってきました。と思ったら、実は5月24日にメモした部分でした(涙)とにかく、再び、ここを始めます。一日3ページずつ音読。pp.632-634. 「普段」から「不能」まで。 普段usual, normal, everyday, dailyWhat do you …

1930年代の上海について

土曜日のエスプレッソ。今週もまた面白かった。アフリカの芸術作品を返還するという問題、チェチュニアにおけるゲイへの激しい嫌悪と差別の問題などの真面目な問題と並んで、20世紀前半の上海の文化都市としてのありさまを描いた書物が二つ紹介されていた。…

映画『エジソンズ・ゲーム』を観てきました!

edisons-game.jp 映画『エジソンズ・ゲーム』を観てきました。実佳と並んで、というか、一席あけてみてきました。原題は The Current War で、direct current を支持するエジソンと alternate current を支持したウェスティングハウス(初めて聞いた人物でし…

2億から6億の covid-19 の患者

www.economist.com エコノミストの巻頭言。Covid-19についての面白い理論である。このパンデミックがどのくらい継続するのかという話である。現在の多くの国家で起きているのは第二波ではなくて第一波であろう、記録患者が一人いることは12人の感染者がいる…

Corvid-19 によるイングランドの被害の多さと日本の被害の少なさ

www.bbc.com www.bbc.com Corvid-19による死者数を国際比較する問題について、一つ確実な考え方とデータが出てきたので報告。 私や多くの学者は、これだけの短期間でのcovid-19での国際比較は難しいと思っていて、ここにはあまり踏み込まなかった。<記録さ…

1980年代からの中国原産のウサギ熱のパンデミー

www.newyorker.com New Yorker で非常に楽しく深さを持っている記事。タイトルはRabbit Fever (ウサギ熱)著者は Susan Orlean で、数年前に The Library Book という図書館の歴史を描くとても面白い本を出し、翻訳もされたが、私はまだ読んでいない。 彼女…

Covid-19の中の国際飛行

www.lrb.co.uk もう一つLRBから。イランのテヘランに住む女性の記事。トロントで勉強する従兄弟の学生が飛行機の事故で死亡し、テヘランからトロントに行き、家族のお見舞いや後の処理などをした。その間にパンデミーのために、カナダはイランとの通行をサス…

中国伝統医学 (TCM) によるcovid-19 に対する有効性のキャンペーン

www.bbc.com BBCから。covid-19 の発生の中核の問題は、中国の市場で取引される野生動物をどのように管理するかということである。SARS においても、covid-19 の発生地である武漢市の海鮮市場においても、第二派にあたる北京の海鮮市場においても、そこで取…

コリアンダーの枝

コリアンダーやチャンツァイと呼ばれているハーブがあって、私はとても好きである。葉をたくさん使ったあと、その種を取って蒔いてみようかという話が出て、初めてやってみた。つまり放置しておいたということなんですが(笑)写真はその種を取る途中に、枝…

書評 石原あえか『日本のムラージュ 近代医学と模型技術:皮膚病・キノコ・寄生虫』が公開されました

repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp しばらく前に執筆した石原あえかさんの優れた書物である『日本のムラージュ 近代医学と模型技術:皮膚病・キノコ・寄生虫』が公開されました。PDFになっておりますので、ご覧ください。 書評は学者にとってとても重要な仕事…

モーリタニアの図書館の危機

www.bbc.com モーリタニアという共和国がアフリカの西側の内陸部にある。かつては東側で繁栄したイスラム文化を西側につなぐ交通路の重要なポイントであった。そこには文化が発展し図書館も作られる。内容としては、哲学、宗教、科学などに関する写本のコレ…

フィルヒョーと線虫と豚肉のソーセージ

フィルヒョー (Rudolf Virchow, 1821-1902)という19世紀ドイツのおそらく最も偉大な医師がいる (詳細は省きます) シュリーマンの『古代への情熱』で非常に格好いい役割を果たしている。そこでは私が少年時代に愛読した名場面があって、そこの登場人物がフィ…

トゥーレット障害の治療法と腕時計

もう一つ障害の話。これはエスプレッソからで、主題はオリヴァー・サックスが印象に残る形でいくつか書いているトゥーレット障害。もともとは19世紀末のパリの神経医であったジョルジュ・ジル・ド・ラ・トゥーレット (Georges Gilles de la Tourette, が発見…

オンライン授業と野鳥と聴診器の音声

オンライン授業などをするため、音声ファイルをよく使う。.mp3 や .mp4 などである。そうすると、なんとなく音声ファイルを使ってみたくなり、サイトを訪問したり、野鳥の音を録音してみたりする。いくつかの野鳥の声のファイル、それから聴診器の楽しいファ…

実験医学とアスビヨン・フォリングと発音辞典

https://www.pronouncekiwi.com/Asbjorn%20Folling 授業の予習をしているときに、 phenylketonuria という疾病を実験室で発見した Ivar Asbjørn Følling (1883-1973) のことを少し調べる機会があった。学生に実験室での貢献のモデルを教えるいくつかのエピソ…

イタリアン・バロックが歌う日が昇るガンジス川

チェチーリア・バルトッリという美しいイタリアの女性歌手がいる。私たちがロンドンに留学した頃にブレイクした。私にとっても青春の歌手の一人で、オペラの『チェネレントッラ』のCDや、彼女のベスト盤も何枚か持っている。それはどうでもいい(笑)今日は…

マスクの有効性:中国と韓国のマスク支持、イギリスの断固たる両義性、そして日本の混沌(笑)

www.economist.com エコノミストで楽しい統計の記事。マスクが予防に有効か否かという問題である。 自分が陽性であった場合に、他人を感染させる割合を下げるのにマスクが有効であるという事実は間違いない。一方で、人ごみに行くのにマスクをすることは、「…

生活空間と職業空間

大阪市の中心部に道修町資料保存会という団体があり、その会員になっている。そこが『道修町』という機関誌を一年に4回発行している。4ページの短い機関誌だが、紹介される史実の面白さ、写真の美しさ、イラスの楽しさなどがあって、毎回喜んで見ている。202…

16世紀イタリアの『不治の狂気の精神病院』に登場する日本人たち!

Garzoni, Tomaso et al. The Hospital of Incurable Madness: L'hospedale De' Pazzi Incurabili (1586). vol. v. 352, Arizona Center for Medieval and Renaissance Studies, in collaboration with Brepols, 2009. Medieval & Renaissance Texts & Studie…

1960年代から70年代にかけて精神病院が急増したもう一つの地域 !!

historypsychiatry.com 1960年代から70年代にかけて、欧米各国では精神病院の病床の急激な減少がはじまった。一方、この時期に日本では急激な増加が起きる。これは大きな謎だったし、今ではますます大きな謎となっていた。「なぜ?」という問いに答える方法…