13世紀の世界の周辺に住む怪物


 先日の hitomidon さんのコメントでのプリニウスの話が気になって、ちょっと調べた面白い図版の紹介。プリニウスが書いている南方の地に住む「巨大な**をもつ人間」の話。何が大きいんだろう?伏字を使って人の好奇心をそそる天才の hitomidon さんの手練手管にかかるのはこれが二回目(笑)。 

 手元のペンギン版の抄訳プリニウスを見ても、グーテンベルクに掲載されている17世紀のプリニウスの英訳を見ても - なんて便利な時代になったんだろう - 「人間」にあたる場所ではそれらしい記述は見当たらない。有名なヘアフォードの大聖堂の世界地図 (Hereford mappa mundi) の右端にあたる部分を見ると、色々な怪物がいる。 無胴人、片足人、無頭人、ヘルマフロディスなどなど。足が大きいから、それで日陰をつくって涼むという人間もいるそうだけど。 怪物たちの出典の解説を読むと、私が思っていたよりプリニウスは少なかった。プリニウスしか読んでいないのは仕方ないとしても、古典古代の珍奇談が何でもプリニウスだと思わないこと。