いただいた書物を読む。文献は、鬼頭宏『図説人口で見る日本史』(東京:PHP研究所、2007)。
著者の鬼頭先生は、歴史人口学の第一人者で、一緒に仕事をさせていただいたことが何度かある。堅実な実証と洒脱なエスプリを両立させた計量データの処理の仕方や解釈の引き出し方には、いつも感銘を受けている。その鬼頭先生が書かれた何冊目かの書物。 膨大な研究の成果を軽々と身に纏い、中学生でも分かるような語り口で、日本の歴史人口学を鳥瞰して、将来を見据えている。
縄文時代の15歳平均余命は約15年、14世紀の鎌倉の同じ指標は約17年くらいだったけれども、江戸時代にはこれが28年近くに延びたとか、1600年から1700年の間に、日本の人口は、約1500万人から3000万人へと二倍になったとか、面白い発見に満ちている本で、楽しく読み、多くを学ばせていただいた。
アマゾンでも鬼頭先生の本は大人気で、五つ星が並び、「なか見!検索」もできます。