必要があって、『エイリアン4』を観て、それについての無内容な無駄話。
私は『エイリアン』のシリーズが好きで、感染症とか寄生虫病などの話を授業でする時には、あまり関係はなくても必ず『エイリアン』に言及する。特に『エイリアン4』は、宗教的なテーマに加えて、クローンとか寄生体の進化とかいった、医学と生命工学の主題が満載だから、堂々と参考文献に指定できる(笑)
ストーリーは、ウィノナ・ライダー演じるアンドロイドの位置づけとかが曖昧だし、ちょっと校と生む栄で散漫な印象を与えるけれども、ジャン・ピエール・ジュネ監督の「センスがいい悪乗り」の映像が好きだから、楽しんで観た。生殖技術のテーマといい、エイリアン(=病原体)の進化といい、前の作品よりも強調されている血液への注目といい、シリーズの中では一番バイオな作品である。
「死は大鎌を担いだ男ではなく、昆虫に咬まれてうつる小さな病原体がもたらすようになった」というのは、フランソワ・ドラポルテ『黄熱の歴史』の中の名文句である。古い死と新しい死の特徴である、巨大さとミクロさを兼ね備えているのが、『エイリアン』シリーズだと思う。