『日本精神医学年表』

必要があって、金子準二の精神医学年表を読む。とても便利なもので、精神医学史の仕事をするときには、これを見てちょっと頭をブラッシュアップすることにしている。文献は、金子準二・田辺子男・小峯和茂編『日本精神医学年表』(東京:牧野出版、1982)

精神病院法によれば、患者定員60名につき1名の割合で院長も含めて常勤の医者を雇うこと、5名に1名の割合で看護人を雇い、その半数以上は有資格者(看護人を含む)であること。また、そこで指定された東京の「代用」精神病院の料金は、一日一人あたりT8年に80銭とか、T10年に1円5銭。

実は、この、看護人の半分が有資格者ということがよく分かっていない。看護人の男女比を仮に一対一とすると(たぶん違うけど)、女性は看護婦が多いはずだけど、男性は精神病看護の資格なんて持っている人がいたのかな。もちろん理論上は講習があったから、有資格者は男性の精神病看護人有資格者はいた。とすると、ひとつ考えられるケースは、法律の規定を守ることだけを考えると、女性の看護婦で有資格者を稼ぎ、男性は無資格者で行くと、女性サイドのほうは教育と訓練を受けた看護婦にケアされ、男性患者は、資格を持たない男性の看護人が世話をするという構図があるのだろうか? そうすると、女性サイドと男性サイドで看護の質が変わった可能性がある。